新野先生の娘は元軍医さん!？【捌】 (ページ21)

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蒲の花④ ページ21

(夢主side)

伊作「できた！！酒精完成！！」
『お疲れ様！！きちんとできたわね！！』

長次「私も一冊読み終えた。」
『分からない文章はなかった？』
長次「はい。『百戦奇略』面白かったです。」

『劉基の書物ね。100年前の、比較的新しい書よ。』
長次「聞いたことの無い名前です。道理で…」
伊作「日ノ本には、そこまで知られてはいないということですか？」
『そうよ。』
伊作「とても有効な知識じゃないか！」
長次「実に興味深い内容だった。」

『さて、頭を使って疲れたでしょう？お団子はいかが？』
2人「いただきます！」
『ごゆっくり！私は留三郎の様子を見て來るわ。』

私は再び留三郎の元へ向かった。

『さあ組手をしましょうか留三郎！』
留三「お願いします！」
『来い！！』

速い…速くなってる！
さすが男の子ね。
けれど脇腹に隙が生まれているわね…

『隙あり！』
留三「っ！まだまだ！」

よろけてしまった彼だが、瞬時に体勢を戻した。

「びりっ！！」
『っ！？』

麻痺痛か。
留三郎が一瞬、視界から消えた。

留三「はっ！！」
『っ！！』

しまった…瞬時に背後を取られてしまった…
意識が反れたことを感づかれた？

留三「読めた…」

違うみたいね…
私は合気を使い、留三郎の次の動きを読み取っていたが、
逆に読み取っていることを彼に悟られてしまい、
敢えて不意を突く動きを選んだのか…考えたわね。

『すごいわね…』
留三「す、すみません…先生の意識に気付いてつい…」
『師を超えることこそ鍛錬の極み。よくやった！』

師として弱くなったか…
いずれにしろ、留三郎は強くなっている。
教えがいがある。

留三「へへっｗ」
『さて合格よ！伊作と長次が中で休憩しているわ。』
留三「行ってきます！」

『出て来ても大丈夫ですよ。』
雑渡「やあ。元気かな。」
『まあまあ元気にやってます。先日はありがとうございました。また、助けてもらっちゃいましたね。』

雑渡「食満留三郎くん、ホドホド城で一戦交えたが、あのときよりも更に強くなっている。うちの月輪隊に欲しいくらいだよ。君のしごきのおかげかな。」

『彼の努力の賜物ですよ。にしても、ホドホド城で出会った少年って、留三郎のことだったんですね。』

雑渡「ああ。それにしても、彼は昔のAちゃんによく似ているね。」
『そうですか。』
雑渡「そういう熱が入る性格、私は好きだよ。」
『…』

もう分かっている。雑渡さんは…

雑渡「もう知ってる？土井先生の正体。」