新野先生の娘は元軍医さん!？【陸】 (ページ23)

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共闘① ページ23

(夢主side)

経過した時間と移動速度を予測して…

『この辺に殿がいるはずよ。』

文次「仙蔵、気配を感じるか？」
仙蔵「いいや。」
『私もよ。』

強い味方とは言え…相手は毒使いでそれも変装の名人。
タソガレドキやカワタレドキにも、潜入者がいる可能性は高いし…

何より強敵。

いざという時は二人を逃がす必要がある。私へ敵の目を引き付ける方法は…

忍術学園とタソガレドキ、カワタレドキの間に立つ存在がいること。

「カポッ」

仙蔵「せん…せい…？」
文次「そのお面…」

『秘密にしてしまってごめんなさいね…私が、元タソガレドキ忍軍所属の、月華よ。』

仙蔵「…忍者として動くときのお名前が月華ですか。」

まあ、やつらが月華のことを知っていればの話だけど。

『！！』
２人「！！」

『そこか！！』
「シュンッ！！」

私は袖箭を飛ばす。

？？「ぐあ！！」

「シュタッ！！」

仙蔵「くっ！！多すぎる…」

まずいな…

『貴様ら、これを見るがいい！』
仙蔵＆文次郎「！？」

私の醜きものを、腕に負ったこの跡を、しかと見よ！！！

敵①「貴様…まさか！？」

『この腕の跡を見れば分かるだろう！！私は、そちらの城の構造を全て覚えている！！そこに私が仕えていたのだからなあ！！！』

敵②「何を！！」
敵③「でたらめを言うな！！」

『お前の名を、私は知っているぞ九連！！』

敵③「…」

なぜって…この男は、あの実験の中で生き残った数少ない子どものうちの一人。

今は私と同じ２４歳になっているはずだ。

九連「…誰だ。」
敵④「おい九連！！何をやっているんだ！！やれ！！」
敵「「「「たああ！！」」」」

九連「覚悟！！」

「ガキーンッ！！」

九連の苦無に、私も苦無で応戦する。

『お前…強くなったな。』

九連「誰だ！！怪しげな仮面をつけやがって！！」

『此の時相ひ望めども相ひ聞かず願はくは月華を逐(お)うて、流れて君を照らさん。』

九連「！！」

『今は互いを知らぬ。だが月が流れるごとに花がお前を照らしてくれることを願っている。』

九連「琥空…琥空なのか？」

「九連(くれん)」。苦の連鎖。名を持っていなかったこいつに、私が付けたひどい名だ。

「琥空(こく)」。私の心を正気に保ち続けた、琥珀の様に黄色に輝く月から「琥」。空は、空っぽの「空」。

そして「月華」。

『そうだ。』

九連「くっ！！この裏切り者め！！」