大川家の女【弐】 (ページ8)

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馬借の青年① ページ8

(夢主side)

なんで…なんで…

なんでこうなった！！！

木野小次郎竹高。ドクタケ城城主。

天下統一を夢見て、あちこちに戦を仕掛ける、戦好きな城主。

馬が苦手ですぐに落馬してしまうため、いつも張り子の馬に乗っている。

自ら発する「パカラ、パカラ･･･」というひづめの音が…あれ要らなくない？

竹高「…というわけで月華、お前は、福富屋から、チャミダレアミタケ城が大量に購入した、運搬中のカービン銃を奪い、この城へ持って来るのじゃ！！！」

横にいるのは、かの有名な発泡酒…ではなく、八方斎。

戦好きなドクタケ忍者隊の首領。

頭がでかすぎて重いので、ひっくり返るとひとりでは起き上がれない弱点があるへっぽこ首領。

ドクタケ城主のために悪だくみをするが、うまくいかないことばかりらしいな。

八方「成功すれば、八十貫文を報酬として与えよう。」

八十貫文…正直なことを言うと欲しい。だが…

『お断りいたします。』

竹高「なんじゃと！？」

八方「何故だ！？」

『私、チャミダレアミタケには御恩があります。あなた方に協力するわけには参りません。』

竹高「あの弱小な城に味方するというのか！！」

『ええ、そうです。』

だってこのカービン銃、そもそもチャミダレアミタケへ無事に届けて欲しいという依頼を…

福富屋の旦那からすでに依頼されているんだ。

無理に決まってるでしょ！？

竹高「許さん！！やれ！！達魔鬼！！」

達魔「はっ！！」

キャプテン達魔鬼…厄介なやつが来たな…

この忍者は、実は意外にも実力者なのだ。

達魔「ふっｗこれで月華の素顔も明るみに出るな。」

『おしゃべりをしている暇はないぞ？』

「ボンッ！！」

達魔「ぐはあっ！？」

「「「ゲホゲホゲホッ！！」」」

眠り薬を込めた焙烙火矢…役に立つな…

このまま逃走だ！！

「シュタタタタタタタタタッ！！」

まずはドクササコの偵察だな。

とりあえず街道に出て町人に扮し、ドクササコ領まで普通を装って行こう。

そんなことを考えながら走っていると…

『！？』

人の気配！！

よく目を凝らすと、木の上に弓を構えている…

ドクササコ忍者がいた。

「シュンッ！！」

「う゛あっ！！！」

『！？』

忍者が放った矢は、街道を通りかかった馬借の青年の左上腕に刺さった！！

喰らえっ！！

私はその忍者目掛けて、鏢刀を打った。

忍者「うぐっ！！」

当たったらしいが、逃げられてしまった。