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Aは谷崎達の後ろについて歩く。
と、彼女のつけている首飾りが淡く光る。
『………A様。近くの軍警の屯所が爆破されたようです。お気をつけを。』
『オレらは遠くにいるからな。』
Aは首飾りに軽く触れて小さな声で
「了解。ぼくに何があっても出てくるな。出るとしても見つかるなよ?」
と、云った。
『御意。』
二人のその声を聞いてAは顔を上げる。するとそこには谷崎に抱きつき耳に息を吹き掛けるナオミがいた。
敦もAも苦笑いをする他無かった。

「着きました。こちらです。」
案内をしといた女性が唐突に云う。その声につられてA以外の三人は路地の奥へと足を踏み入れる。
「え……」
Aは驚いたように三人を見る。危ないんじゃないの!?と。

「………なんか、気味の悪い処ですね。」
「んー……おかしいな。本当に、ここなんですか?ええっと………」
「樋口です。」
「樋口さん。密輸業者と云うのは、臆病な連中です。だから必ず逃げ道を用意します。
ここ袋小路ですよね。捕り方がそっちから来たら逃げ場がない。」
敦と谷崎、樋口の三人がそんな会話をするなかAは呆れた表情を浮かべる。
Aは敦のことが狙いだと感づいていた。

「こいつ__」
「ポートマフィア!」
故に、油断していた。樋口は携帯で連絡をとった後、サブマシンガンらしきものをを取りだす。狙いは谷崎。
「くっ!」
Aはそれを見て精一杯走る。

Aは三人の前に庇うように立つ。しかし、谷崎を守ろうとしたのかナオミが前に出ようとし、Aがそれを制した所で発砲された。
大半はAに当たるか素通りしたが、一発ナオミの腕に当たる。

「Aちゃん!!」
「ナオミ!!Aちゃん!!」
敦と谷崎が叫んだ。ナオミは谷崎の無事を確認すると微笑み、
「兄様……怪我は……?」
と聞く。
その声に谷崎は動揺する。

「ぼく………は、いい!早く敵を……!!」
Aが云うがその間に樋口は弾倉を交換し、Aに銃を向ける。
「!!」
Aは立っているのが不思議なぐらいの出血をしていた。
Aは覚悟を決めたように目を閉じた。
樋口の銃が火を吹いた。

しかし、銃弾はAには当たらず、Aは地面に倒れ込む。
谷崎が異能力を使ったのだ。
「三人とも奥に下がっているんだ……こいつはボクが………殺す!」

そして、谷崎は樋口の首を絞めるのに成功する。

しかし、谷崎の後ろに一人の人影が現れた__

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作者名:玉兎 | 作成日時:2019年7月28日 10時

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