検索窓
今日:1 hit、昨日:2 hit、合計:4,001 hit

7 ページ12

「死んでしまえ!」
谷崎は両手に力を込める。
しかし、背後の人物の異能により背中を突き刺される。
「死を惧れよ………殺しを惧れよ…………死を望む者、等しく死に、望まるるが故に………」

黒衣の男が現れた。彼を見てAは思う。
__成長したなぁ……
Aは懐かしさで頬を緩める。
「お初にお目にかかる。僕は芥川。そこな小娘と同じポートマフィアの狗………」
男__芥川は咳き込んだ。
それにAは心配そうに目を細めた。
しかし、芥川はAの存在に気が付いていないようだ。

「芥川先輩、ここは私ひとりでも__」
そう云いながら近づく樋口の頬を芥川は容赦なく叩く。
「人虎は生け捕りとの命の筈!片端から撃ち殺してどうする、この役立たずめ!!下がっていろ!!」
「………済みません。」

二人が会話をしている隙をついてAがナオミに云う。
「ナオミさん。逃げて。ナオミさんまで………動けなくなったら困りますから。」
ナオミは谷崎を見た後、覚悟を決めたのか探偵社に向かって走り出した。

「!!芥川先輩逃げました!!」
樋口が叫ぶ。芥川は敦と話しており、漸くナオミの走っていった方向、つまりAの事を見た。
「そこに転がるお仲間は…………!貴女は!!」
「Aちゃん!!逃げて!!」
敦が叫ぶ。
それと同時に芥川はAの元へと走る。少し遅れて敦も。
それに樋口は驚愕の表情を浮かべる。

芥川が先に着き、倒れ込んでいるAを抱き抱える。
「銃弾が抜けていない……!」
芥川は緊迫した声でそういうと樋口のもとへ駆ける。
その時着いた敦の事など眼中にない。

芥川は腕が塞がっているからか、樋口を蹴る。
樋口は咳き込み困惑した。
「あ、芥川先輩!?」
「貴様のせいだ!!貴様のせいで彼女が……!」
芥川は樋口を責め立てた。
しかし、自身の部下である彼女の失態を防げなかったのは自分。そう芥川は心の中で自身を責め立てる。

「芥川さん………ぼくは大丈夫……です。」
Aはそれを感じとり云う。
芥川はAに対して済まなそうな顔をしてAを撫でる。
その動きはとてもぎこちない。

「Aちゃんに触るな!!」
それを見た敦がまた叫ぶ。しかし、芥川はそれには答えず、
「Aと云うのか貴女は。」
とAに確認をとる。Aが頷くと芥川は目尻を下げもう一度彼女を撫でる。

Aはその手に安心したようでそのまま意識を手放した。

8→←6



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.7/10 (3 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
2人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:玉兎 | 作成日時:2019年7月28日 10時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。