11輪 ページ12
そんなこんなで田中とは疎遠になり 、私は高校にも合格した 。
考えてみると結構重いなぁなんて呑気に考えると家の電話がなった 。
「 はい 、もしもし 。」
家電あるあるなのか少し声が高くなる 。
どうせどっかのセールスなんだろうと思った 。
「 もしもし 、A ?いづみだけど 。」
声の主は親愛なるいづみであった 。
私は嬉しさと安堵に包まれる 。
「 あ 、いづみ ! また家電なんてどうしたの ?? 」
今はお互い携帯を持っているので 、こうやって家電でかけるなんてこと滅多になかった 。
「 いやぁ 、たまにはこういうのもいいかなぁと思って 。」
そんなこと言ういづみの声は少し震えていた 。
なにか違和感がある 。
そう思って私はソファに座る 。長電話になりそうだからだ 。
「 そうだね 。いづみ 、なんかあった ? 話聞くよ 。」
私はゆっくりと話す 。いづみが話しやすいように 、自分を責めないようにと 、願いながらゆっくり話した 。
「 あのね 、A 。私 、茅ヶ崎くんと別れようと思うの 。」
そう言うと 、いづみは泣き出した 。
きっと??誰にも話してないだろうと思うと 、心が痛む 。
「 えっそうなんだ 。でもなんで ? 」
「 あのね 、茅ヶ崎くんには好きな人がいたの 。だけど私 、とられたくなくて茅ヶ崎くんとは無理言って付き合って貰ってたの 。」
途切れ途切れにいうその理由を聞いて私は驚いた 。茅ヶ崎といづみは両想いかと思っていたからだ 。いづみは茅ヶ崎のことほんとに好きだったんだなぁと思う 。
「 そっか 。好きな人は誰にもとられたくないもんね 。だけど好きな人を傷つけるのはもっと嫌だもんね 。いづみはその事を決断できたことは凄いよ 。」
いまの私はもっとこういう言い方がいいのかとかいつもいづみに話す時の焦りとか笑顔を求めるためとかそんな気持ちはなくただただ思いついたことを雨が降るようにポツポツと話した 。
聞こえるのはいづみの泣き声だけだった 。
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作成日時:2017年11月10日 16時