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そのまま末澤に抱っこされそっとベッドに降ろされた。
末澤｢…あっついな。…しんどい？｣
タオルケットを体にかけながら心配そうに眉を下げてそう尋ねてきた。
こくんと頷くと、さらに心配の色が濃くなり
頭に手が乗せられる。
末澤｢大丈夫やで、俺らがちゃんと看病するからな。
はやく良くなるとええなぁ｣
いつもなら払い除ける所だけど、
今日は暫く心地良いその手に浸っていた。
あまりにも優しいその瞳に、
甘えてもいいのかとつい思ってしまう。
末澤｢…あ、そういやゼリー買ってきたんやった。みかんの。好きやったよな？｣
｢…ん｣
末澤｢小島が作ってる粥出来るまでちょっと食べてよか。じゃあ持ってくるな？｣
ちゃんと寝て待っててな
と子供に諭すような声で言われ、手が離れてしまう。
｢(…あ、)｣
またすぐに戻ってくると分かっているのに、
熱のせいでなんだか少しおかしくて。
｢…｣
末澤｢…ん、どうしたん？｣
｢……やだ、｣
気付けば彼の袖を掴んでいて
｢………ここ、いて？｣
そんなことを口走っていた。
普段言えないようなことも、
今ならなんでも言えるような気がしたのだ。
末澤｢ええよ｣
一瞬驚きつつも、
優しく微笑んだ末澤が傍に腰を下ろした。
末澤｢ずっとここ居るから、安心して眠り。な？｣
そう言って汗で張り付いた髪の毛を退かし、頬を撫でた。
｢…ん、きもち……｣
彼の手は少しひんやりしていた。
火照った身体にはちょうど良くて、
その手を包んで頬を擦り寄せる。
｢…せい、や｣
末澤｢っ、！｣
ぜんぶ熱のせいにしようとする私はずるいかな、
なんて。
｢…えへへ、せいや、せーや｣
つめたい手のひらに目をほそめる。
頭がぽわぽわして、なんだかふわふわする。
きもちくて、しあわせなきもち。
｢ふふ、だいすきだよ｣
末澤｢…っ待って、あかん。ほんまムリやって｣
気付けば私は手を握ったまま眠りについていた。
末澤｢…ほんま、可愛すぎん…？｣
頭を抱えながらそんなことを言っているなんて
当然私は知る由もない。
＿＿＿＿＿
(俺の方が好きやわアホ！！！！)
(お前うっさいねん何大声出しとん)
(…誠也くんがおかしなった)
(Aちゃんが起きたらどうすんですか！)
(てかなんでふたり手繋いどん？！)
(抜け駆け禁止！！！)
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作者名：透夏 | 作成日時：2020年5月31日 0時
