【銀魂】花時の青い夢【合同企画】 (ページ30)

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神威【美桜】ページ30

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青春って一体どんな形を指すのだろうか。
思い出、恋愛、友情、家族、いろんな意味を成す青春の言葉。

「神威！」

無駄に長い学ランを着て、ハチ公の前で散歩中の犬とにらめっこしている神威に手を振って近づいた。睨めっこに夢中になっていたのか「あ、A」とやっと私だと気づいた。

「ごめんね遅くなっちゃって」

「いいよ別に」

神威は無表情で私の目の前に手のひらを出す。
あっ、と思い鞄から神威の好きなチューインガムを一つ出して手のひらに乗せてあげると彼は「違う」とそれを口に入れて私の手を強く握った。

「あ、そっちね」と軽く笑うと神威はぶっきらぼうに歩き出す。歩くスピードが遅い私は神威の歩幅に合わせないとついていけない。まだ一度もこっちを向いてくれていない神威にシュンとする。

「今日どこに行くの？」

「どこか」

「え、」

勝手に歩き出しているのに行く所も決まっていない。「もう少しゆっくり行こうよ」と言うと、神威は一度立ち止まって私を一瞥するとすぐに前を向いてさっきよりゆっくりと歩き出した。

せっかく今日は神威に久々に会えるからと思って髪の毛だって友達に可愛くしてもらって化粧もして制服のスカートだって少し曲げて短くしたのに。「可愛い」って言ってもらいたかったのに。その言葉はまだ神威の口から聞いたことすらない。

「ね、ねぇ、私行きたいところあるんだけどさ、一緒に行かない？」

「いいけど、どこ？」

「私が案内してあげる！」

今度は私が神威を率先してとある場所へと向かったのだった。

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