絶対生き抜いてやるもんね〜【名探偵コナン】

file 8 ロン毛絶許 ページ10

あーもうまじこのロン毛許さねぇ

許さねぇとか言っといてこいつ〆ちゃったら後々大変なの分かってるし
命が惜しいヘタレなもんで逆らうつもりなんて一切ないけどー

既に新一くんの事を黙ってるのはお口チャック


「要件はそれだけですかねー？もう帰っていいですかー？」

「…ああ、好きにしろ」


haー？
組織の中でもちょーっといい位置にいるからってマジなんなの腹立つわぁ

呼び出したのそっちなのにその言い草はなかろうて


「じゃーお先でーす」


気を緩めたら舌打ちしてしまいそうだけど
そんなん奴に聞こえたら私の脳漿炸裂する合図にしかならんし

頬がピクピクするのわかるー
めったに使わない私の表情筋がんばれ

その痙攣する顔を隠すようにシートに置いておいたヘルメットをかぶると、私はバイクにまたがってその場を速やかに離れる

ジンとウォッカに見送られるの好きじゃないんだよねぇ
ウォッカはまだしも誰かさんは背中にチクチク殺気あててくるからさ。痒いわバカタレ

なーんてミラーに映る黒い大男2人に心の中で舌打ちした。10回くらい


「明美さんをねぇ…」


いやいやいやいや
そりゃー断らないけど。断れないけども

さすがにきっついなぁ

この事件がこんなに早く来るとは思わなかったし
ターゲットは今まで良くしてくれた明美さんだし
殺るの私だし


「いやぁ…えぇ…」


信号待ちでちょうど止まったもんだから、私はオフホワイトのボディーにしだれかかった。

ここまで考えて一気に脱力

くっそジンあのやろーいつか消してやる

明美さんがいなくならない事にはシェリーが新一くんと会うことはないし
そしたら今後への影響すさまじいし
そもそも組織を裏切る選択は現段階でありえないが


「新一くん、止めてくれないかなぁ」


原作で言うと彼は間に合わないけど

私というイレギュラーがいるのだからちょっとは変わってくれてもいーんじゃない？なんて
今までも何百回と願ったし無理か


中でも一番の問題はシェリーというか、哀ちゃんだよね。どう考えても

私が明美さんを始末したってことが彼女に知れて嫌われるのはもうしょうがない諦めてる
哀ちゃんが私を嫌っても私はずっと好きでいれる自信しかないしこれは問題ない

深刻なのは彼女が新一くんと会ってからだ。


大阪の高校生探偵然り
新一くんのご両親然り

組織や彼の正体について知るともれなく哀ちゃんもついてくる

私も会わせられるよねぇ


彼女は好きだけどいらないその特典
長きに渡る性別詐称で男だと思ってくれてるけど97%バレそう

匂いとか気配で察知できるんでしょ？

怖いわぁ

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