絶対生き抜いてやるもんね〜【名探偵コナン】

file 16 天涯孤独 ページ18

「遅くまでお邪魔しました〜紅茶ご馳走様です」

「ああ、新一も田中君も気をつけるんじゃよ」


少年探偵団のみんなは夕方辺りに帰らせたので、もう夜も更けた中博士に見送ってもらったのは私と新一くん

もーね。あのあと大変だったのよホント
目の前ですぐ調べ出してさぁこいつ

私の生まれは向こうで日本戸籍もない、いわゆる日系アメリカ人という枠(という設定)だったので日本の記事はないのだけど
そーだったこいつ英語もできるんだったーって気づいた時にはもう事の一連をさらった後だったの

偽でも私遺族なんだよ？直ちにデリカシー募集かけた方がいいんじゃない？ってほどに根掘り葉掘り

ほら見てみなよ私の頬ゲッソリ


「あ〜そういえば今週末、中学の時音楽講師だった松本先生の結婚式あるよね。新一くん来るの？」

「ん？ああ、行くぜ。あの人の旦那になるやつのツラを拝んでおきたくてよ」

「3年間なにかと目つけられてたもんねー原因明らかだけど」

「おい、どういう意味だよ」


そーゆー意味だよ音痴くん
さっきまでの仕返しじゃコラァ

バイオリンは弾けるのにリコーダーも音外すっていうのはもう救いようがないよ


「楽しみだなぁ」

「おめーそんなに先生と仲良かったっけか？」

「放課後にちょこちょこ楽器の音聞いてもらってたってのもあるけど、なにより…」


横を歩く新一くんの脇に手を差し込んでをひょいっと持ち上げる
「なにすんだよ」と暴れたので上下にシャカシャカ振ってやった。シャカシャカポテトー

振られたはずみで眼鏡がずれて、数年前に見た幼き日の新一くんが顔をだす


「こーんなに当時の新一くんそっくりの子が来るんだよ？先生が放っておくはずないじゃなーい」


存分に遊ばれてくるがいいわ

呆れに口元をひくつかせている彼
正体を知っている私の前だからって君、ほーんと憎ったらしいったらないね

先生がよく生意気な小僧なんて言ってたの超わかる
あのころから新一くん見た目は子供頭脳は大人だったじゃんね


話しながら帰ると時間もあっという間に過ぎてくもんで
新一くんを毛利探偵事務所へ続く階段下におろすと、ぼさぼさになった髪を乱暴に撫でまわしてもっと乱してやった。

あースッキリ


「そんじゃまた土曜にね！」


そーんな恨めし気に見られても怖くもなんともなくってよ

何か言いたげな新一くんを無視し、さっさと大通りを抜けて帰路につく

先生の結婚式が楽しみなのはホント
披露宴で先生ご自身が歌われるパフォーマンスでピアノ伴奏任されてるし

私でもちゃんとピアノ弾けるのよ？
優れた暗殺者は万に通ずってね

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