56.支え合い ページ19
#os side
喉が渇いた。
紅茶でも淹れに行こうと廊下を歩いていると、困った顔で突っ立っているシャオロンがいた。
何やら手紙のようなものを握りしめている。
『シャオロン、何しとんねん。』
sh｢あ、マンちゃん。いや今トントンが忙しいみたいやから、折角やしグルッペンに話しようと思ったんやけど逃げられた。｣
『話？』
sh｢これこれ。｣
ちょっと折れた手紙を差し出したシャオロンはよく分からないと言いたげな顔をしている。
差出人は書かれていないものの、この封筒は間違いなくイギリスからのもの。
しかも王室の。
sh｢宛名見てみ。｣
言われた通り、手紙をひっくり返す。
見慣れない名前だが俺達はこの名前の主を知っていた。
『これはシッマの昔の名前やな。』
シッマがイギリスの出身で、しかも皇太子だということは知っていた。
でもこの場所にシッマいることは知られていないはずだし、仮に知っていたとして今更王室がシッマに手紙を出してくる理由なら一つしかないか。
『最近イギリスの国王死んだよな。』
sh｢シッマの父さんやんな。長生きした方やで。でもその後の後継者は決まってたんやろ？｣
『再婚した相手の連れ子で、実の子じゃないから議会で認められなかったんだと。なのに全部決まる前にあの国王はシッマの事殺したからなぁ。』
sh｢なのになんで手紙が？｣
『シッマも最近は最前戦出ずっぱりやったからな、生きてんのがバレたんやろ。』
シッマはここに来る前からも最前線の兵士だった経験があって、今や言葉では言い表せないほど優秀な陸軍の統率長となっている。
彼の大胆で破天荒な攻撃は恐れを知らず、彼の狂犬と言うあだ名に相応しいものだった。
彼が上にいることもあって陸軍の士気はどの隊よりも高い。
我が国の防衛の重要な柱。
『手放す気はさらさらないで。』
ぐしゃっと手紙を握り潰してシャオロンに突き返す。
シャオロンはゴミを渡されて嫌そうに顔を歪めた。
『シッマには話さんでええ。トントンには俺から話しとく。』
sh｢へーへー｣
もうゴミだからと、シャオロンが手紙を開いた。
いやモラルってもんが無さすぎるやろ。
sh｢え、ちょっと待って。｣
『ん？』
sh｢これって、招待状？｣
手紙のような紙と別の、やけに丈夫そうな紙切れ。
シャオロンからそれを受け取ってみると、そこにはイギリスで行われるパーティの日程から場所が書いてあった。
しかもご丁寧に幹部全員に向けて。
『ほう。面白そうやんか。』
続く (更新停止中)
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らりるれろん(プロフ) - 更新停止ですか…ずっと待ってます。この作品がとても好きです、応援してます。 (2020年7月5日 10時) (
レス) id: 2108271c54 (このIDを非表示/違反報告)
うさぎまる - 好きです、こじれ具合とても好きです、応援しております。 (2019年4月8日 19時) (レス) id: c595f3c6d5 (このIDを非表示/違反報告)
うめる(プロフ) - 好きです(唐突な告白) (2018年10月9日 1時) (レス) id: 78e56762eb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もろと | 作成日時：2018年3月12日 23時
