54.内緒の話 ページ17
#Aside
『痛い痛い痛い痛い痛い…!!』
何だこの男は！！
いきなり出てくると私の髪の毛を鷲掴みにして地面に額を押し付けさせた。
いやもう最悪にも程がある。
ni｢ショッピ君、これどうしてくれんの？｣
syp｢いや、ほんとすんません。｣
ni｢この子グルッペンのお気に入りやんか……困ったな。｣
突然髪を上に引っ張られて、その恐ろしい目と目が合った。
私の事を睨んでるわけでもなく、トントン様みたいに笑いながら怒っているわけでもなく、ただ表情がないだけなのに怖すぎて全身が震えた。
ni｢名前は？｣
『あっ、…A…です。』
ni｢………ふっ、｣
目は死んだまま、片方の口角だけ上げて笑った。
私の髪を離して怖くなるほど優しい手つきで私の髪を整えると、紳士のように手を差し伸べてくる。
恐る恐る顔を上げると、さっきまでの彼が想像出来ないほど優しい顔をしていた。
ni｢驚かせてごめんね。さっきまでのは全部嘘。｣
『…え？』
ni｢トントンがな、グルッペンがご執心の使用人がいるからいっぺん見てみろって喧しくてな？試してみたんや。｣
いやそんな嘘通用すると思ってんのか。
ほらどんどん目が座ってますよ。
ni｢まぁただの様子見やし。この事はご内密に。｣
口元に人差し指を立ててにっこり笑った彼が怖すぎて、私は頷くことしか出来ない。
syp｢あの、コネシマって奴ここにいます？｣
『……な、なんで、』
syp｢まぁちょっと昔色々あった人で。探してたんすけど居ないんですよ。｣
『私には、分かりません…』
地面にぺたりと座り込んでいた私を俗に言うヤンキー座りをしながら数秒見つめると、ショッピ君さんは｢そっすか｣と言って立ち上がった。
ni｢あと、Aちゃん？やっけ？｣
『……はい。』
ni｢グルッペンも俺たちと一緒で昔色々あってん。Aちゃんはまだグルッペンの事なんも知らんのやろ？あいつの言ったこと、よう考えたってな。｣
『どうしてあなたが、そんなことを言うんですか。』
ni｢俺は全部知ってるからや。｣
『意味がわからない…』
ni｢とりあえず、あいつの言うことには全部裏に何かある。そうしなきゃいけない理由があんねん。｣
私の手を引いて立ち上がらせると、またあの優しい顔で頭を撫でられた。
反射的にビクッと体を揺らすと面白そうに笑われる。
ni｢大丈夫やで。少なからずあの人の決意が固まるまでは、俺はこの国を裏切ったりせぇへん。｣
その首にあるストールが、何故かトントン様のマフラーと重なって見えた。
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らりるれろん(プロフ) - 更新停止ですか…ずっと待ってます。この作品がとても好きです、応援してます。 (2020年7月5日 10時) (
レス) id: 2108271c54 (このIDを非表示/違反報告)
うさぎまる - 好きです、こじれ具合とても好きです、応援しております。 (2019年4月8日 19時) (レス) id: c595f3c6d5 (このIDを非表示/違反報告)
うめる(プロフ) - 好きです(唐突な告白) (2018年10月9日 1時) (レス) id: 78e56762eb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もろと | 作成日時：2018年3月12日 23時
