53.スパイ ページ16
#Aside
二人はあのままトントン様に引きずられて行ってしまった。
荒れ放題な部屋の中を見渡してまたひとつため息を吐く。
『散歩しよ。』
廊下から出てしまうと最悪グルッペン様と鉢合わせてしまうから、運良くゾム様が回収し忘れた縄で降りることにする。
私の部屋は三階なので、結構高い。
オマケに外はもう薄暗くなっていた。
『意外と短い…それに細い…』
縄は地面まで届いておらず、だいたい二階と一階の間ぐらいまでしかない。
下手をしたら骨ぐらいボキッと折れてしまいそう。
それでも躊躇っている暇なんてなくて、私は勢いよく縄に飛び移った。
『えっ…？』
何故だろう、縄はちゃんと屋上から繋がれていたはずなのに、何故私は地面に向かって真っ逆さまに落ちているのだろう。
私が握りしめている縄の先端が見えた。
それが何者かによって切断されていることに気付いたのは、私が地面に打ち付けられるのとほぼ同時だっ__________
??｢嘘でしょ。｣
私が落ちる直前、誰かの声がした。
それと同時に物凄くキツイ煙草の匂いがぶわっと広がって、一気に目眩がする。
『いったぁ……あっ』
syp｢大丈夫っすか。｣
『しょっ！！！』
見事私をお姫様抱っこで受け止めた青年は、間違いなくさっきの記事にも載っていた男、｢ショッピくん｣さんだ。
冷めたような目がとっても怖い。
syp｢何してるんですか。｣
『散歩に行こうかと…』
syp｢あ、アンタももしかしてスパイだとか？｣
『アンタもって…あなたスパイなんですか？』
syp｢はい。｣
えっ？
今なんて言った？
この人もしかしてバカなのか？
syp｢兄さんが連れてきてくれるまで、2人でずっと計画練ってたんすよ。流石兄さん、もう城の中に仲間仕込んどいたんすね。｣
『ちょ、まって。』
syp｢？｣
『…私、使用人、ですよ？』
刹那、視界が反転した。
視界の端に映ったのは、あのストールだった。
ni｢早速やらかしたなぁ。｣
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らりるれろん(プロフ) - 更新停止ですか…ずっと待ってます。この作品がとても好きです、応援してます。 (2020年7月5日 10時) (
レス) id: 2108271c54 (このIDを非表示/違反報告)
うさぎまる - 好きです、こじれ具合とても好きです、応援しております。 (2019年4月8日 19時) (レス) id: c595f3c6d5 (このIDを非表示/違反報告)
うめる(プロフ) - 好きです(唐突な告白) (2018年10月9日 1時) (レス) id: 78e56762eb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もろと | 作成日時：2018年3月12日 23時
