＊.冷たい ページ13
極めて古いわけでも、決して綺麗な訳でもない兵士たちの寮。
俺は荷物を抱えてその扉を盛大に開け放った。
静まり返った寮内。
あれ？おっかしいな。
『戻ったぞー！！！』
何も返事が返ってこない。
あ、この時間は訓練しとったな。
俺は自分の自室だった部屋に入ってそのまま懐かしいベッドにダイブ。
疲れたしちょっと寝たろ。
｢あの、殺しますよ。｣
『……んあ、？』
｢ここ俺のベッドっす。｣
よくわからん奴はそう言って俺をベッドから引きずり下ろした。
ぼやけた視界の先に見えたのは奇抜な紫色のヘルメットとゴーグル。
とんでもなく目つきの悪いそいつはゴミを見るかのような目で俺を見下ろしていた。
『いってぇ！！』
｢は？うわ、まじか。｣
バチンと視線がかち合った瞬間、明らかに顔を歪ませてそっぽを向く男。
俺にはなぜそんな反応をするのかがよく分かっていた。
城を出る前まではかくごしてたけど、やっぱ実際にやられると傷つくなぁ。
『もう皇太子様とちゃうで。』
｢え、じゃあ殺しても問題ないっすね。｣
『それはちゃうやろ。』
空室もないし、俺はコイツと相部屋になった。
コイツは俺が来たあとの新兵のくせに、とんでもなく身体能力が高いらしい。
そんで、なんか知らんけどショッピくんって呼ばれてる。
しばらくして帰ってきたかつての仲間たちは、快く俺を迎え入れてくれた。
syp｢あれを、ねぇ。｣
戦争が多いこの時期、俺は帰ってこれた喜びに浸る間もなく戦場にいた。
最前線、雄叫びを上げながら前進していく。
右にショッピくんが走っているのが見える。
ん？アイツ俺の方見てない？
カチッ
足元から無機質な音が聞こえた。
なんで、こんな場所に、
刹那、足元で小規模な爆発が起きる。
反射的に避けたつもりだったのに、さすがに間に合わない。
激痛とともに地面に落下した。
意識があるだけ奇跡だろう。
syp｢すいませんね。王令なもんで。｣
｢悪く思うなよー。｣
頭の上にあの紫色のヘルメットが見える。
俺とおそろいの軍服が俺を取り囲んでいた。
みんな口々に何か言ってるみたいだけど、もう何も聞こえない。
syp｢じゃ、おつかれっす。｣
あぁ、もう何も信じない方がええんかな。
ut｢うわっ！！えっ、ちょ、グルちゃーーん！！｣
gr｢なんや。なんかええもん落ちとったか。｣
ut｢そうじゃないねんけど、この人、生きとんねん。｣
tn｢ひぇーー…置いてかれたんやなぁ。｣
gr｢お、イギリスの王子様やないか。なかなか使えるぞ。連れて帰ったれ。｣
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らりるれろん(プロフ) - 更新停止ですか…ずっと待ってます。この作品がとても好きです、応援してます。 (2020年7月5日 10時) (
レス) id: 2108271c54 (このIDを非表示/違反報告)
うさぎまる - 好きです、こじれ具合とても好きです、応援しております。 (2019年4月8日 19時) (レス) id: c595f3c6d5 (このIDを非表示/違反報告)
うめる(プロフ) - 好きです(唐突な告白) (2018年10月9日 1時) (レス) id: 78e56762eb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もろと | 作成日時：2018年3月12日 23時
