死へのカウントダウン2日目 ページ21
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「……」
「…………あ、あはは、…ど、どうしたの?」
今日は何故か皆午後一時頃からやってきた。早いね本当に仕事そろそろ優先させたら?なんて思ったが正直来てくれるの嬉しいから良しとしてる。私は何様だ。
「………べつに、」
松田さんが素っ気ない。もうちょっと愛想良くしようよ!前みたいに楽しくみんなで話そうよ!!って思ったけどよく見たらみんな凄い隈だ。意気消沈してる。君たちも死刑宣告されたのかい?
「…………うぅ、」
微かに声を漏らした諸伏さん。吐息をたっぷり含んだ苦しそうな声。心配だけどイケボだね。大人の色気の塊みたいな声。健康に良さそう。えやっぱ心配大丈夫?
「ぇあえぇ!?!?も、諸伏さん!?なんで?えなんで!???」
ぶわり。諸伏さんの瞳に水が覆い被さった。徐々に質量を増すそれは、目の縁だけでは収まりきらず次々と溢れ頬を伝っていく。
「ひ、ろ……」
「降谷さんも!?!?」
「Aちゃぁん…………」
「は、萩原さん!?」
「……っ、」
「ま、まま松田さん?????」
「…………A………」
「班長まで!!??」
えなにこれなんの状況???ドッキリなの?ねえ。次々と涙を流していくんだけど。情緒不安定なの!?ゆっくり休んで!!!
「み、みなさん…何があったか分からないけどゆっくり休んで……」
あいにくハンカチは1枚しかないので渡せない。ぐすぐす泣いてる5人の成人男性が前で並んでいるこの状況。ゴリラ警察ビックリしてそう、って思いながら後ろ向いて確認してみた。案の定、目を大きく見開いてた。おもしろい。
「お前っさぁ…………なんで、なんでお前は、」
松田さんが震えた声で言葉を紡ぐ。初めて見た彼の姿に驚愕した。泣くんだ、なんて失礼なこと思った。戸惑いながら次に発されるであろう言葉を待つ。しかし結局その言葉は彼が口を閉じたことにより、彼しか知らないものとなってしまった。
「ねぇもうそんな泣くからこっちまでうつっちゃったじゃん」
先程まではっきり見えていた5人の姿がぼやけ、崩れる。涙が目の縁に留まったのはたった数秒。すぐにボロボロと溢れた。とめどなく雫が落ちてゆく。服に染みを作っていく。
「みんなと、いっしょに、いたい、よ、ぉ」
私たちを遮るアクリル板に両手を付けた。
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memory(プロフ) - 時 雨 ! !さん» コメントありがとうございます!一気読みして下さるとは…!嬉しい限りです✨歪んだ愛を持つ子って良いですよね…😇面白いと言って頂けるような作品にすることができて良かったです!ご愛読ありがとうございました! (2022年7月18日 22時) (レス) @page35 id: 11927a2f45 (このIDを非表示/違反報告)
時 雨 ! !(プロフ) - 好みどストライクで一気に読み終わってしまいました!秋宮くんのクズっぷりと夢主ちゃんの歪んだ愛、めちゃくちゃ大好きです…!想像していたものより、遥か上を行く真相で本当に面白かったです! (2022年7月18日 0時) (レス) id: dee2fbc24a (このIDを非表示/違反報告)
memory(プロフ) - realさん» コメントありがとうございます!そう言って貰えて嬉しい限りです🥰🥰他の作品まで読んでくださってるとは…!!ありがとうございます!更新頑張りますね🔥💪 (2022年7月10日 9時) (レス) id: 11927a2f45 (このIDを非表示/違反報告)
real(プロフ) - 真相にかなりおどろきましたが、すごく面白かったです!!他の作品も楽しませていただいてます😆 (2022年7月10日 1時) (レス) @page45 id: f217387575 (このIDを非表示/違反報告)
memory(プロフ) - ひとみさん» コメントありがとうございます!秋宮のクズ設定は途中から思いついたので大した理由はありません!自分の手で人の人生を狂わせたい、みたいなサイコ&クズ思考が働いたのでしょう笑 (2022年6月30日 2時) (レス) @page40 id: 11927a2f45 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:パラリルラ | 作成日時:2022年5月11日 21時