元同期、死刑宣告される。【警察学校組】

死へのカウントダウン11日目 ページ12

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「うん、手遅れ。」







檻の隙間から、息を飲む音が鮮明に聞こえる。生まれた時からもう既に、手遅れなんだよ。にへらと笑って壁一点だけをじっと見つめた。







「…君は、一体何を抱えてるんだ…」





「今は死刑のことしか抱えてないよ！未練果たせたし、いい加減にそろそろあの人のことも忘れようと思ってるからね」





ずっと、忘れたかった。未練を果たした途端、これでようやく忘れられるんだと喜んだ。あの男3人組をご臨終させるまで、ずっと毎日あの人が、私の想い人が、脳裏にチラついてた。思い出が、ずっと頭の中を回ってた。そのおかげで度々気分が悪くなったし、ふとした途端に心臓が握られるほどの憎悪が襲いかかってきてたりしてた。それが無くなると思うと、かなりの解放感を感じることが出来た。






ようやく忘れられるんだ。それなのに、それなのに。






「あーあ、もうこれで何も考えず自由に生活できると思ったら、今度は自由も何も無い牢屋の中ですか。クソ喰らえっ」






本当に、私の人生ハードモード。望みを叶えるという選択肢は神にないのかしら。困ったものねロミオ。






「ねー安室さん」






「…なんだ？」





「私の人生と安室さんの人生交換しよう」




「言っておくが僕の人生イージーモードじゃないからな」




「牢屋に入れられてるもんね。わるだ」




「君に言われたくないな」





どんよりとしてた空気が徐々に元に戻ってくる。互いに冗談を言い合っていると、懐かしい感じがして非常に良きだった。言い方十分悪いけど安室さんが牢屋に来てくれてよかった。






「おいお前らー、10分でジャージ着替えて校庭集合だ。遅れずに来いよ。」




ゴリラ警察は一通り言い終わると、私と降谷さんにジャージを檻の隙間から差し出して来た。



「おら、これがジャージだよ」






「何年ぶりだろ…」




「君は前まで運動していなかったのか？」




「するわけないじゃん疲れるし」






あ、いま怪訝そうな顔してる降谷さん想像できた。

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