安寧 (ページ7)

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昼休みになり、様子でも見てこようかと医務室に向かう途中、廊下で新野先生に会い今に至る。

新野「まさか女性だったとは…思っていませんでした。」
「えぇ、私も。てっきり男性だと。」

少しの雑談をした後、新野先生は薬草を摘みに薬草園へと向かった。ふと見上げると空が曇り始めていた。雨が降りそうだ。
医務室の障子を開ける。まだ侵入者である女性はすやすやと規則正しい寝息をたて寝ていた。

乱太郎「あ、土井先生！」

看病していた乱太郎が私に気付き声を掛けてきた。

「乱太郎、あれからどうだ？」
乱太郎「はい、目はまだ覚ましません。んまぁ、怪我が酷かったですから。」

腕と左足に深い傷を負っていた上に、穴に落ちたせいで足を挫いていたらしい。

「そうか。あ、乱太郎は昼食まだだったよな？」
乱太郎「あ、はい。そうですけど。」
「なら、食べてきなさい。」
乱太郎「え、でも、まだ次の保健委員の当番は来てませんし…」
「次の保健委員の当番はいつ来るんだ？」
乱太郎「もう少しで来ると思います。」
「なら、大丈夫だろう。次の保健委員が来るまで居てやるから、行ってきなさい。」
乱太郎「分かりました。もう少ししたら新野先生も来て下さるでしょうから。では、よろしくお願いしま…」

乱太郎が言いかけた瞬間、眠っていた女性が上半身をバッと勢い良く起こしたのだ。