安寧 (ページ15)

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「土井半助です。」

と名乗れば、

学園長「うむ。」

と返事が返ってくる。私はその指示に従い障子を開け一礼した。すると、

学園長「入ってそこに座りなさい。」

と言った。私は言う通りに学園長の前に座った。

学園長「して、侵入者はどうじゃ？」
「はい、何処の城にも属していないフリーの忍者でした。敵意や殺意などはなく、生徒達も…特に一年は組の子達が懐いています。」

苦笑混じりで言うと、学園長は高らかに笑った。

学園長「ふむ、忍者とな。」
「…実は」

任城が自分の知り合いだということ、彼女に悪意はないこと…。
侵入者とはいえ元パートナーだ。完全に警戒していない訳では無いが、彼女が悪さをするとは思えなかった。

学園長「なるほど…分かった！」

そう叫びすっと立ち上がると部屋を飛び出して行った。

「ちょ！学園長先生！？」

私は驚き学園長先生の後を追った。多分向かった先は、

(やっぱり…)

医務室だ。案の定、学園長先生は医務室の障子を勢いよく開けた。

「学園長先生！今任城は療養中ですので…」

そう言いかけた時、中から包帯やらトイレットペーパーやらが学園長先生に向かってきたのだ。

学園長「な、何をする！」

学園長先生は頭をおさえながら言った。

「言わんこっちゃない。」

任城を止めるべく医務室に入る。任城は白い寝巻き姿で苦無を構えていた。

任城「土井…！」
「すまない、任城。」
任城「土井！その老人は何者なんだ。」
「この忍術学園の学園長なんだ。」
任城「なっ…！」

任城は目を丸くして固まっていた。