4話 タンスの中身 ページ5
.
そして私はその後流されるように用意されていた部屋へ案内され、そこで眠り、起きた。
そして今に至る。
もう繋がりというやつも結んでしまったし、しょうがない。ここで働くしかない。
ひとまず部屋を見渡すか。
部屋は壁や床が木でできていて、高級感などは一切ない。ここはゴミがなく綺麗だ。
大きなベッドの横には大きなタンスがあり、おそらくそこに服があるのだろう。
私は、ベッドからおり、タンスを開けた。
そして、閉じた。
何度か目を擦り、もう一度扉を開けた。
そこには露出の高すぎるドレスや、セーラー服。
スカートの短すぎるメイド服に、黒のビキニ。
よし、この服用意したやつ殴ろう。
清掃員とか、主人とか吸血鬼とか関係ねぇ。これはおかしい。てかビキニ着るわけないだろ。
私はキレながら服を漁っていると、一つだけ丈の長く露出の少ない服を見つけ出した。
仕方がない。これしかないのだから、これを着よう。
せっせと着替え、鏡の前で回転する。
膝が十分に隠れるほどの丈のスカート。
白い清潔なエプロン。
そしてレースのカチューシャ。
そう、私が来ているのはロング丈のメイド服だ。
まぁ、ビキニよりかは良いか。
そう思い私は持ってきた掃除道具を持って部屋を出た。
部屋を出て直ぐに、3回まであがる。
そして荒々しくノックしたあと返事も待たずに扉を開けた。
｢やぁおはよう清掃員。良い夢は見れたかな？｣
昨日の男が来るのを知っていたかのように待ち構えていた。
｢んな事どうでもいいんですよ、あの服はなんですかあの服は！！？？黒ビキニとか着るわけねぇだろ！！｣
もう恐怖心など置いてきた。ただただ怒りしか込み上げてこない。
｢おぉ、あいつら攻めるなぁ…｣
男は愉快とでも言うように笑う。
｢次私があのタンスを開けるまでに中身をもっとまともなやつに変えておいてくださいね！！｣
勢いのまま主人に迫る。
｢あ、そういえば、｣
突然男は何かを思い出したようにポンっと手を叩いた。
｢まだ自己紹介をしていなかったな。清掃員も、名前すら知らない。｣
たしかに、あの男、で済ましてしまった。
｢たしかにしてませんし、不便ですね、自己紹介しましょう。｣
2人は自己紹介をすることにした。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：塩田 | 作成日時：2022年5月15日 1時
