目が合って1秒の色男に求婚を受けました【文スト】

六言 ページ7

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『北海道の上にある北方領土、誰か黒板に描きに来て欲しいんだけど…………蒼斗(あおと)君、寝てたから。』


「え〜〜〜ダルッ…………、」






　

本気で眠そうな蒼斗君。



後ろからは彼と仲の良い子達の笑い声が聞こえてくる。



次、当てるんだけどなぁ。



するとうだうだ云いながらも少し歪な形をした北方領土を確りと描いてくれるのだから、中学生は可愛い気がある。








『はい、ありがとう。此れで説明するけど、この＿＿＿＿＿＿＿＿』








其でも、やっぱり最近皆何処か私の授業を聞いてくれない。



態度とかノートとか提出物とかで結構脅している心算ではあるのだけど、やっぱり若いからってのもあるのか効いてくれていないみたい。



判ってても、堪えるものですよお兄さん……。



また、話したいな……。



出来れば、今日にでも。



誰か、私の事を好きって云ってくれて、私の話を聞いてくれる人。







『＿＿＿＿＿＿＿と、此れが悩みの種なの。』







悩みの、種で。



すると、チャイムが鳴る。



時間配分のミスはなし、授業に関しては問題なし。



ただ、生徒への声掛けが今日も駄目。








『今日は此れで終わり。プリント明日提出だからね。』


「起立。」








日直の号令と落胆の声が重なる。




そうして、今日最後の授業が終わってしまった。



職員室で、反省会しよう。



教材と書類を籠に入れて賑やかになった教室を後にした。

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