四言 ページ5
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其からは互いに質問をし合う流れになった。
出身地、年齢、職業、等々……。
「へェ……同い年か。」
『以外でした…年上かと。』
24とかその辺かなって。
でも一寸親近感湧いたかも。
同い年って。
あと一寸安心した。
もし年上の人から突然プロポーズ受けていたとしたら、年上ってだけで何か恐怖心が湧くのだ。
「じゃあ、仕事は?」
『中学の社会教師です。と云ってもまだまだ新米だし、生徒達にはナメられるわで自信なくして……挙げ句今日なんか意識を放してしまって階段から落ちてしまいました。』
えへへ、とポリポリ頬を掻く。
あれは痛かったし恐かった。
しかも生徒達にも迷惑掛けてしまったんだから。
本当、今日は反省しまくりだよ。
「先生か、此は一本とられたね。
それはこんな可愛らしい教師は皆仲良くしたくなるね。」
『え……………………、』
「相手は思春期の子供さ。そんな深く考えたら逆効果だよ。」
そう云って酒を喉に流し込むお兄さん。
思春期…そう云えばそんな事もあった。
中々素直になれなくて、不安を抱え込む時期。
『…ありがとうございます。明日からも生徒達の為に頑張りますっ!』
「無理は禁物だからね。」
撫で撫で撫で。
でもやっぱり年上って感じするなぁ。
一寸、狡い。
ふと時計を確認すると、もう遅かった。
明日も仕事だし、お兄さんにもこれ以上は迷惑かな。
『そろそろ、帰ります。』
「泊まっていってくれても良いけど…」
『一寸それは……』
「冗談だよ。」
遊ばれた。
鞄と飲まなかった分のお酒が入ったレジ袋を持って靴を履く。
「また呑もうね。可愛い可愛いマイハニー。」
『ハニーになった覚えはないですよ。』
逢って数時間でこんなに『可愛い』と『結婚』に関する言葉が聞けるとは思っていなかった。
人生って本当何があるか判らない。
『此方こそ、愉しかったです。ありがとうございました。』
笑顔で見送られて外に出ると空気は冷たく、薄暗い雲はゆったりと動いていた。
月は、三日月とは云い難い、微妙な形をしていた。
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白ちゃん - 面白かったです。 (2022年7月21日 18時) (レス) @page13 id: 0a2f8cc4e7 (このIDを非表示/違反報告)
まゆ - 面白かったです^_^ほのぼのしていて、癒されました^_^続きが、すごく気になります^_^これからも、頑張って下さい^_^ (2019年4月8日 21時) (レス) id: 406c27ad01 (このIDを非表示/違反報告)
博識のうさぎ(仮)(プロフ) - 椿さん» ありがとうございます!頑張ります!! (2019年3月29日 20時) (レス) id: 311cf89819 (このIDを非表示/違反報告)
博識のうさぎ(仮)(プロフ) - かんりりさん» ありがとうございます!! (2019年3月29日 20時) (レス) id: 311cf89819 (このIDを非表示/違反報告)
椿 - 更新頑張ってください。楽しみにしてます (2019年3月29日 20時) (レス) id: 2688fc176f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:博識のうさぎ(仮) | 作者ホームページ:
作成日時:2019年2月20日 19時