【歌い手】A day with___ 3 【短編集】

カミナリノヨル【志麻】 ページ19

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ザー、バタバタバタ。

季節外れにも程があると言いたくなるくらいに、窓の向こうは荒れた天気となっていた。

一昨日あたりから天気予報で「大気の状態が不安定な為…」などと言っていた気がするけれど、ここまで酷い嵐になるなんて。
風はゴーゴーと唸るように吹いているし、そんな風に煽られながら強い雨が窓を叩いている。



まだ、大丈夫。

まだ。



リビングで一人、ソファーの上で膝を組んで腕でまとめるようにして座り続けている自分の今を、幽体離脱か何かで傍から見たらこれまた酷く滑稽だろうな。呑気に、いや、現実逃避をするようにくだらない思考に走っていた。

そんな時。



ゴロゴロ、ドーン。



ビクッと身体が震えたのは同時だった。

カミナリ。

遂に雷までが鳴り始めて。
より一層腕の力を込めたその時、ガチャと扉が開く音と共に、平然とした声が。

志「近かったなぁ、今の…って大丈夫か！？」
貴「志麻ぁぁぁ」

慌てて駆け寄ってきてくれる志麻。

志「あれ、A雷ダメやったっけ！？」

コクリと首を縦に振る。
そう、私は大の雷嫌いなのである。
小学生の時とか、雷が鳴り始めるとやたらとテンションが上がる子が一定数はいたけれど、未だに彼らの脳内は理解できない。
そのくらいに、雷が苦手なのだ。

何でなんだろう…きっかけは覚えてないし、明確な理由はないけれど、大きい音だとか、腹まで響くその感じだとか、挙げようと思えば幾らでも挙げることができてしまう。







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