【歌い手】A day with___ 3 【短編集】

髭のこいひと【志麻】 ページ14

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　あっ、この感じ...

　不意に思い出したのは、父が亡くなる前の幼い頃の記憶。

　まだ小さかった私の体を軽々と抱っこした際に触れた頬と頬。剃ってまだ日が経っていない筈なのに伝わっきた“じょりっ”とした感覚。

　「お父さんほっぺじょりじょりー！」なんて言えばそうだぞー！と言って頬で頬を擦られた。

　父も、髭の濃い人だったな。剃っても青く残ってしまう程に。
　意図せず触れた彼の頬には青く残った髭。幼い頃に味わったあの感覚。

　ああ、懐かしいな。
　
　娘は、父親に似た人を好きになると言うが案外当たりかもしれない。

　そんな昔の思い出に耽っていると、隣に居る志麻が私の態度を不思議に思ったらしく、どしたん？と声を掛けてきた。


　「志麻も青髭残るんだね。」
　「ガッツリ残るでー。全然嬉しやいわ。」
　「そう？私は好きだよ、じょりってするじゃん。」
　「それ好む人って少なない？」
　「そうなの？」

　好む人は少ないのか、幼い頃に父を亡くした私は嫌いになる程触れられなかったのか。
　どんどん感傷的になっていって、少しばかり気分が沈む。
　
　“じょりっ”
　
　懐かしい感覚が、頬に触れた。
　

　「こんなんいくらでもやったるわ。」
　「えっ、ちょ」
　

　突然のことに戸惑いを隠せない私を楽しんでいるようにしか見えない。が、たまにはこんなのもいいかな、なんて思った後、素直にその懐かしい感覚に耽ることにした。
　
　
　
髭の
濃い人 恋人




-end-



別サイト(pix⚫v←)の方にも投稿を始めました
その関係で書き方が変わっていますが、見にくかったら言っていただけるとありがたいです
善処するよう努めますので...！

この話にこのあとのお話、的なものを考えていますがここで載せるかはまだ考えていないという←

とりあえず試行錯誤しながらやっていこうと思います

さて、明日は校外模試だぞ(白目)

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