三十五話 ページ39
「灯里さん、ちょっと良いですか?」
次の日の朝、部屋に居るとすみちゃん、きよちゃん、なほちゃんが声をかけてきた
「はい、どうしたの?」
「あの、これどうぞ!」
きよちゃんが差し出したのは服で
「私達と同じやつですが、灯里さん用にアオイさんが作りました!どうぞ!」
ときよちゃん達が着ている同じ服を渡された
「ありがとう!早速着てみるね」
と私は着替える
白のワンピースのようなデザインで腰周りを深緑のリボンでベルトの様に結ぶ
「わぁ!可愛い服ありがとう!アオイちゃんにはお礼言わないとね」
私が笑顔できよちゃん達にお礼を言うと、三人は嬉しそうな顔をして
「「「とってもお似合いです!」」」
と口を揃えて言うのが可愛くて
「きよちゃん達も可愛いよ!みんなでお揃いだね」
と言った
「思った通りです灯里さんは緑が似合います」
なほちゃんがニコニコと言うきよちゃんすみちゃんもうんうんと頷いているので
「私にどうしてこの色が似合うと思ったの?」
と聞いてみると
「灯里さんは綺麗な緑色の石の耳飾りを付けていましたから、きっと緑色がお好きなのかと」
「緑色の耳飾り?」
(ピアスの事かな?)
と私は手で髪をかきあげて耳に付けているピアスを見せた
エメラルド石のピアスがキラリと光っているのをきよちゃん達が見て、
それです!と笑顔で言った
「これはね、エメラルドって言う石なんだ、私の誕生石なの」
「えめらるど?」
「誕生石?」
「とても綺麗な名前の石ですね!」
ときよちゃん達は目を輝かせて言っていた
「1月から12月までその月にあった石の事を誕生石って言って、自分の生まれた月の誕生石を身につけると幸運をもたらすって習わしもあるみたいなんだよ、私は5月が誕生月でエメラルドって言う石が誕生石なの」
「幸運ですか?」
「そうだよ、私が幸せになれますようにって両親が誕生日の時に私にくれたものなの、これは私の大切なものなんだ」
「とても優しいご両親なんですね」
「うん、大好きな両親だよ」
(もう会えないけれど、それでも私にとっては大好きな両親…)
私の誕生日に幸せになれますようにと誕生石のエメラルド石のピアスをくれた両親
その時、私はまだ耳に穴をあけてなくて、大人になったら開けようと考えていた
でも両親が事故で亡くなって、
最後にくれたこのピアスを身に付けたいと強く思い、耳に穴をあけて、ピアスをつけるようになったんだよね
私にとっては大切な宝物だ
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作者名:カリン | 作成日時:2020年11月22日 22時