二十九話 ページ33
ー炭治郎視点ー
蝶屋敷にて、俺と善逸、伊之助、禰豆子は怪我を治療している
那田蜘蛛山では俺を含めて四人ともかなりの怪我を負ってしまった
しかも藤の花家紋屋敷を出発してから、一週間程なる
(灯里さん…どうしてるだろうか…)
那田蜘蛛山の任務が終わったら必ず迎えに行くと約束したのに、未だ行けずに蝶屋敷のベッドで善逸と伊之助の三人で治療受けながら寝ている
灯里さんの事は、お館様には話したけれども、それからどうなったかは分からない
そんな時、
ふと嗅いだ事のある匂いがフッと鼻をくすぐる
(この匂い……もしかして…?!)
俺と同じく善逸も気付いたようで
「なあ、炭治郎…この音…もしかして、もしかしてだけど…灯里ちゃんじゃ…」
「うん、この匂い…間違いない!灯里さんの匂いだ!」
優しく甘い匂いと心地よい暖かい匂い…
間違いなく灯里さんの匂いだった
その匂いが段々と濃くなって来たかと思ったら
「竈門くん…善逸くん…伊之助くん…」
と部屋の入り口の方から灯里さんが現れたのだ
「灯里ちゃん!」
「灯里さん!」
俺と善逸が同時に灯里さんを呼んだ
「怪我…したって聞いたけど…大丈夫…?」
灯里さんは俺達の所へ来ては心配そうな顔をして聞いて来た
「見ての通りです…鬼は倒せたのですが…身体中痛いです」
俺は笑って言ったものの、灯里さんの表情は曇ったままだ
(こんな調子では灯里さん所か、自分さえ守れないかもしれない…禰豆子も…)
少し間があった所で善逸が
「灯里ちゃんはどうしてここに?」
と聞いていた
「ああ、実は…しのぶさんにここなら安全だろうと言われて…」
と灯里さんがここに来るまでの事を俺達に話して来た
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作者名:カリン | 作成日時:2020年11月22日 22時