第160話「黄昏時に」 ページ12
とある世界では、その年で最も美しい黄昏時だった。
世界が黄金色に染り、安寧の中にほんのりと
日本のわびさびにはきっとこのような瞬間も含まれているのであろう。
焼き付く夕焼けに濃く重なる影と、伸びた電線柱に降り立った鴉が黒のコントラストを添えた。
その中を派手な黒が通過する。
何故か常時赫目状態である彼が外出をする際には、必ずサングラスを身につけていたのだが、それがここにきてやっと本来の理にかなった活用をしている。
それなのに減光作用をものともしない焼かれるような夕日の眩しさに彼は─────ウタは、目を細めるばかりだ。
そんなウタの足が、『あんていく』と表記された喫茶店の前で止まる。
斜陽を反射させた窓ガラスから店内を覗き見ると、金木研が1人、テーブル席を白布で丁寧に拭いている姿が見えた。他に客はいない。
それらを視認した後に扉を開くと、耳当たりの良い鈴の音が、ウタの来店をカネキに知らせた。
「いらっしゃいま────ウタさん…！ お久しぶりです。
あぁでもすみません、今日はお客さんが少ないから早めに店仕舞いをするって、さっき店長が………」
「やあカネキ君、久しぶり。
大丈夫、あまり長居するつもりはないよ。ただちょっと聞きたいことがあってね。
…芳村さん、いるかな？」
人間の来客ではなくウタの来訪だと知ったカネキは、親しみ深い笑みで迎えるも、何故自分がいつもより早い時間から拭き掃除に取り掛かっていたのかを思い出し、咄嗟に陳謝した。
しかしウタは気にせず、寧ろ好都合だと穏やかな表情でカネキに挨拶する。
通りで。
でも客足が少ないという一番ベストなタイミングで来れたと、ウタは納得と同時に少しばかり喜んだ。
「店長なら上にいるので、今呼んできますね。
席に座って待ってて下さい。」
そう言い残しては階段を登って行ったカネキの背中に、ウタは一言「ありがとう。」と、優しい声色で投げ掛ける。
東京喰種とかもう正直何年も離れすぎててキャラの口調全然分かってないです。一応調べながら書いてはいますが、気になる間違いがあったら指摘してくださると嬉しいです。
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さば(プロフ) - 普段クロスオーバーの作品はあまり見ないんですけど、読んでみたらとても面白くて一気見しちゃいました！自分は文章書くの得意じゃないので、尊敬します✨️更新頑張ってください💪応援してます！ (12月12日 23時) (
レス) id: 20de839133 (このIDを非表示/違反報告)
ひなみ(プロフ) - 東京喰種の作品の数が少ないので読み漁っていたらこんなに良い作品に出会えました！面白すぎて一気見しちゃいました！作者様のモチベと作者様を応援してます！ (2023年5月1日 18時) (レス) id: ea58a26248 (このIDを非表示/違反報告)
ありす - 男主作品あまり見ないんですけどめちゃくちゃ好きでした😌🫶 作者様のモチベ上がりますように！！ (2022年11月16日 13時) (レス) id: d0fde4e56d (このIDを非表示/違反報告)
Acer(プロフ) - ササクさん» 気に入って頂けたようでとても嬉しいです！！最初からここまで読んでくださってありがとうございました！いえいえそんな、恐縮です😳これからも精進します💪 (2022年10月11日 22時) (レス) id: a9c8d45116 (このIDを非表示/違反報告)
ササク(プロフ) - 今日この作品に出会ったんですが面白いし好み過ぎたのでイッキ見しちゃいました😂めっちゃ面白かったです😆更新がんばってください！あと、全然関係ないですが文章能力凄まじいですね！語彙力あんまないので尊敬です😍 (2022年10月8日 23時) (レス) @page21 id: ba5c48af12 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Acer | 作成日時：2022年3月19日 17時
