暗箱【cs】 (ページ5)

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sv② ページ5

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「崇拝対象が身近にあったからと妥協して偽物を信仰する貴方より、本当の神様を崇拝している私の方が正しいに決まっているでしょう？いいんですよ、可哀想に。わからなかったんですよね。そう萎縮なさらないで。何もかも心配することはありません、神様は全てを受け入れます！是非聞かせてください。貴方のお話を。」

「右目……？ああ、幼い頃神様に捧げたんですよ！矮小な私でも神様に捧げられる程優れている所があったというのは嬉しく、素晴らしく、誇らしいことですから！何も辛いことはなかった。……でも…あぁ、やはり気になりますか？一応見た目は綺麗にしているつもりなのですが……あまり、見ないでくださいね。」

「とても辛かったときに神様に助けてもらったという記憶はあるのですが、具体的には覚えてないんです。夢だったのかな……だとしたら、とても幸せな夢ですよね。一生覚めなければ良かったのに。」

「全ては私の神様のお導きのままに！ですからね。私がここで神様に出会えたのもきっと必然です。きっと私たち、一生一緒にいられるのでしょう？それならもういっそ永遠に館から出られなくなっても構いません！！貴方さえ居れば、私はなんだってできるんです。勿論、神様が望むのなら」

「私の神様が私のような矮小な存在を認識するわけないでしょう。だから、どれだけ押しかけても迷惑に当たりません。象は蟻を認識しませんからね！少し寂しいですが、それも身の程知らずの蟻の悩みです。早いところ気持ちに折り合いをつけなければ」

「神様に求められたい気持ちと、私なんかを求めないでほしいという気持ちが両立している。どう足掻いたって私は人間で、神様とは何もかも違う。人間を嫌うのも道理に適っている。別に構いません……でも、…………、嫌われたくないな…………。」

「私以外の人についていっちゃ駄目ですからね。いや、あの、貴方を束縛したいわけじゃなくって……あ！だからって知らない人とお話するのはもっと駄目！えっと、あ〜……なんて言えば良いのかな。貴方の事を心配してるんです。……すみません、烏滸がましいですよね。」

「今までずっと貴方に嫌われたくないって思っていました。でも、最近は貴方が傷つく事が何よりも恐ろしいんです。だからもう、私のこと嫌ったって良いんですよ。」

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