虹がかかる空に＊6＊ (ページ43)

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大毅side

朝からぐるぐる回る世界が気持ち悪くて、数回吐いてしまって

でも、今日久々の声出しライブやし休むわけにはいかんくて

気力でなんとか立ち上がって、リハに出たけど

大「っ…」

歩くとまた世界が回り出して思わずふらっとしてしまう

照「しげ、大丈夫？」

すごい勢いで回り出すから、身体がふわふわして気持ち悪くなる前にぎゅっと目を瞑る

気づいたら誰かが俺の腕を掴んでて、声で照史やってわかった

大「んっ、大丈夫」

照「とりあえずこのまま座ろ」

その場に座り込むと曲が止まる、めっちゃ迷惑かけてるってわかってるのに

早く立ち上がってリハに戻りたいのに

身体がいうこと聞かなくて座ったまま唸るしかできない

大「うぅっ……んっ……はぁはぁっ…大丈夫っ…大丈夫っ…」

照「しげ、ちょっと休憩しよ」

大「大丈夫っ…できるっ…やるから」

照「あかん、しげは休み」

照史にあかんって言われて、悔しくて照史の手を持って立ちあがろうとするけど

また座らされて立ち上がれへん

大「嫌やっ、やるっ…」

照「あかん、1人で歩かれへんやろ」

照史の手を振り払ったら、今度は身体ごとぎゅっと掴まれる

大「なんでっ……なんでっ…んっ…」

照「ちょっと休ませてくるわ」

ここにおりたいのに、その気持ちは声にもならなくて

照史の力に勝てなくて、腕の中でバタバタするだけ

立て込む仕事の中、全部を全力で頑張りたくて

でも無力で、ちっぽけな俺の頑張りは

こうやって全部裏目に出てしまうんやな。