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流星side
道に迷い始めて3時間、予定通り行けば余裕やったはずやけど
もう急がないとライブが始まってしまう。
さすがにあてもなくふらふら歩いて俺も疲れた…
流「忘れててんけどさぁ…俺地図とか苦手やったわ」
大「お前ほんまにさぁ…もう望に電話したほうが早いんちゃう？迎えに来てくれるかもしれへんやん」
流「それはちょっと待って…」
俺らの本来の目的を思い出したみたいで、しげも黙る
俺ら2人だけで行く、これはそういうサプライズやから
大「はぁ…この顔だけイケメン！
俺の方がちょっとは見えてるしって言うたん流星やん！」
流「ちょっとやで、ほんまにちょっとな？」
激しく言い争ってるように見えて、しげの声はいつも優しい
目が不自由になったからか、言葉の裏にある本当の気持ちに気づくことが増えた
目が見えなくなって可哀想なやつって見られることの方が増えて
本音で話してくれるやつ、なかなかおらんから
こうやって言い争いできるのも、俺ちょっと好きやねん
大「はぁ…しゃーないなぁ、本気出すわ！」
流「お、本気出せ！」
大「流星とおったら一生着かんからな！
選手交代や、黙って俺についてこい！」
流「待って、急にうざいな」
大「おいこら、どういうことやねん！」
しげと仲良くなったのは、盲学校に入ってすぐの頃
あの時はまだ、転校してきたばっかりやったし俺は白杖のつき方を勉強してる最中で
今よりいくらか目は見えてた。
生まれつき見えないしげは、そんなのも忘れてしまうくらいめっちゃフレンドリーなやつでいつも前向きで
白杖ももちろん上手に使ってて
白杖の練習や、言うて昼休みとか放課後に2人でよく抜け出して遊びに行って
先生によう怒られたな(笑)
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作者名：時生
| 作成日時：2023年4月18日 0時
