虹がかかる空に＊4＊ (ページ41)

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淳太side

淳「わかった…わかったから。
ただし5分だけや」

さっきから悪い顔色は変わらないし、呼吸状態やって悪化してるのに

立てなくて、床に転んでも電話したいって泣く大毅見たら許可するしかないやん

あかん、こっちが泣きそうになるからやめてや。

ずっとずっと、普通に学校に通う当たり前のことが大毅にとっては特別やった。

普段底抜けに明るいのに、時々悲しい目をするから

鬼になろうと決めた俺の心が揺らいでしまう。

大「ふふっ…淳太いいとこあるやん」

淳「俺忙しいんやから、早くしてや？」

抱き起した大毅を車椅子に乗せて、マスクして一階のロビーの公衆電話の前に連れて行くと

いつものいたずらっぽい顔で笑う

ガチャッ…ガチャッ……

大「淳太…これ重い…」

淳「俺持っとくから、番号だけ押して」

もう手には力が入らなくて、何度かやってみても受話器が持てないから俺が持って大毅の耳に当てる

大「え、待って淳太俺の話聞こえるやん」

淳「しゃーないやろ？早く押して」

大「えぇー、じゃあ淳太耳塞いどいて聞かんといてな？俺のプライベートやから」

淳「無理や！」

ボロボロ泣いてたけど、やっといつもの調子の大毅

心はちょっと元気になってきたんかな。