虹がかかる空に＊4＊ (ページ40)

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大毅side

淳太の前で泣くのはもう終わりにしたかったのに

泣いてしまってから淳太の顔、もう見れんかった。

どうしても出たかった文化祭に出ることが絶望的になって、思わず溢れた涙は

普通に学校行くこともできひん、またみんなに置いていかれてしまう、神ちゃんへの申し訳なさで

悔しさなのか、悲しさなのかもわからん。

でももう、1人で立ち上がることもできなくて吸っても吸っても薄い空気しか吸えない感覚

気付いたら着替えさせられて病室で点滴されてて、またここに戻ってきてしまったんやって何も考えられない

大「っ…うぇっ……うぇっ…」

横になってただけなのに、気持ち悪さが込み上げてきて

気持ち悪さに耐えながら、学校に行けないならせめて連絡したいなってぼんやり考えた

神ちゃんは病気のこと、なんも知らんし本番出られないこと謝りたい

携帯は使えないから、電話するなら一階ロビーの公衆電話

バンッ……

なんとか立ち上がったつもりが、床に寝ていて

痛いより先に、ひんやりした床の感覚だけが伝わってくる

点滴が抜けてしまった腕からはダラダラ血が流れているのが見えて、遠のきそうな意識の中

それでも、どうしても電話したくて床に寝たまま少し足掻いて

淳「何してるん！？」

気付いたら、淳太が目の前に立ってた

大「電話しようと思って」

淳「電話？誰に？」

大「友達…」

淳「あかん、点滴外れてるしまだフラつくやろ」

大「…5分…5分だけでええから」

淳「自分の状態わかってるか？
外出たらまた感染する可能性が上がる、病室内におってって言うたやろ」

大「…お願い…お願いっ…学校で、やっと大切な友達ができてんっ…」

床で俺を抱き起した淳太の白衣の袖を、必死に掴んで揺らす

あぁ、なんかわからんけど

また涙止まらんくなってもうた。