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としみつside
目が覚めると、俺の隣でマスクをつけたあかねが眠っていた。
手は握ってくれたままだ。
外は薄明るくて、時計を見ると4時半を指していた。
どうやら半日以上眠っていたらしい。
体のだるさは昨日より消えていて、汗をかいて熱が下がったのでむしろ少し心地良いくらいだ。
「おはよ…だいじょぶ…?」
「うん。ありがとう。」
俺が体を起こしたからあかねも目が覚めたらしい。
あかねは眠そうに薄く目を開けていた。
「そっか、よかった…おやすみ」
そう言うとまた目を閉じて眠ってしまった。
手は握ったままだ。
「まって」
急にこの状態に対応できなくなって、俺は空いている左手で顔を覆った。
俺が熱で寝ている間ずっと手を握っててくれて、その手はまだ繋がれていて、んでその子が今俺のベッドで隣で寝ている…?
「ばかやべえやん…」
こういうときどうしたらいいんだろう。
もう一度寝るべき?それとも起きたほうがいい?でもそうなると手を離さなきゃならんし、下心あると思われるかもしれんけどそれは嫌だ。
そもそもなんであかねは俺の布団で寝てるん?
いやそれは手離せなかったからか、でもそこまで律儀に手握ってくれてるとは思わんやん…
「わけわからんわ……」
「…なにが?」
あかねは起きてしまったらしい。
目元をこすりながらからだを起こす。
手はまだ握られたままで腰から下は同じ布団に入っている。
「なんで手離さなかったん?」
「としみつが離してくれなかったから。」
「風邪うつすかもしれんやん!」
「そもそも私がうつしちゃったんだし、もらっても良かったし…」
そこであかねは口ごもってうつむいた。
「…としみつの手、離したくなかった。」
「それ、どういう…」
思わずばかな質問をしてしまった俺にあかねは顔をあげて俺の目を見た。
「…もういい。」
離された右手が急に冷たくなった。
俺は手を伸ばしてあかねを胸に引っ張り込んだ。
「…俺、あかねのこと、すきだ」
恥ずかしいくらい心臓がバクついている。
顔を見られたくなくてあかねの肩に顔を埋めると、熱を出して汗くさい俺と対象的に髪からいい香りがした。
「ばか。遅いわ…」
あかねの返事を聞いて、俺は抱きしめる腕を少しだけ強くした。
思わず強くしすぎたらしく、あかねが痛い!と背中をぽんぽん叩いた。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
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あずきいろ
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ミキ(プロフ) - 雪乃さん» ありがとうございます。ぼちぼちやっていこうと思います。初めてなので拙いところたくさんあると思いますし更新頻度もまちまちかと思いますが、これからもよろしくお願いします。 (2017年8月10日 8時) (レス) id: ec159f3992 (このIDを非表示/違反報告)
雪乃(プロフ) - 初コメ失礼します。としみつさん好きなので、こうして新しく作品が生まれることを嬉しく思います( ´艸`)ミキさんがテンポよく更新してくださるので、毎日この作品を読むことを楽しみに過ごしてます…元気の源です( ´ω` )続き楽しみにしてます!頑張ってください! (2017年8月10日 3時) (レス) id: f85b939213 (このIDを非表示/違反報告)
ミキ(プロフ) - んさん» ありがとうございます。ぼちぼちやっていこうと思います。これからもよろしくお願いします。 (2017年8月7日 13時) (レス) id: ec159f3992 (このIDを非表示/違反報告)
ん - 頑張ってください! (2017年8月4日 9時) (レス) id: b16c47b63c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ミキ | 作成日時:2017年7月29日 21時