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としみつside




起きたときからふらふらな俺はあかねに支えられてようやく帰宅できた。
ベッドの上に座らせてもらったけど、正直座ってるのすらしんどい。
あかねが買い物に行ってくれてる間に着替えようと試みたけど、なんとかスウェットをはくことはできたものの服を脱いだだけで力尽きて上は着替えることのできないままベッドに横になった。
熱で目が充血してるのがわかる。
かなりの熱が出てると自分でもわかるけど、体中寒い。




「としみつ〜?」




帰ってきたあかねの呼びかけに答える気力もなく、俺は横になったまま荒く息をし続けるだけだった。




「大丈夫?!」




「悪い…途中で動けんくなった…」




なんとかそれだけ言うとあかねは買い物袋から冷えピタを取り出して貼ってくれた。
おでこから温度が下がっていくのがわかった。





「着れる?」




あかねが俺が着ようとしたものの床に放置した服を拾い頭にかぶせてくれた。





「ありがと…」




なんとか腕を通すのもだるくてままならない。
あかねが着替えるのを手伝ってくれて、少しだけ肌に触れる指先が冷たくて心地よかった。
食欲も全くなかったので薬を買ってきてくれたスポドリで流し込む。
喉の奥が痛い。かなりやばいみたいだ。




「なんかほしいものある?」




「だいじょぶ…あかねは帰って…うつしちゃうから…」





無理して体を起こすも、余計に重病感が出てしまったらしく、あかねは困ったように笑った。






「何言ってんの、死んじゃいそうなくせに。」





甘えることにした俺はおとなしく横になった。





「じゃあさ、俺の手握っててほしい…」





自分で思っていたよりも弱っていたらしい。
意図せず情けなくなるような震えた言葉が口から出てきた。






「いいよ」





そう言ってあかねは小さな手で俺の手を握ってくれた。
さっき体に触れたときはひんやりしていると思ったけど、あたたかくて柔らかい手だ。
目をつぶると俺は深海へ沈んでいくように眠りに落ちた。

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ミキ(プロフ) - 雪乃さん» ありがとうございます。ぼちぼちやっていこうと思います。初めてなので拙いところたくさんあると思いますし更新頻度もまちまちかと思いますが、これからもよろしくお願いします。 (2017年8月10日 8時) (レス) id: ec159f3992 (このIDを非表示/違反報告)
雪乃(プロフ) - 初コメ失礼します。としみつさん好きなので、こうして新しく作品が生まれることを嬉しく思います( ´艸`)ミキさんがテンポよく更新してくださるので、毎日この作品を読むことを楽しみに過ごしてます…元気の源です( ´ω` )続き楽しみにしてます!頑張ってください! (2017年8月10日 3時) (レス) id: f85b939213 (このIDを非表示/違反報告)
ミキ(プロフ) - んさん» ありがとうございます。ぼちぼちやっていこうと思います。これからもよろしくお願いします。 (2017年8月7日 13時) (レス) id: ec159f3992 (このIDを非表示/違反報告)
- 頑張ってください! (2017年8月4日 9時) (レス) id: b16c47b63c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ミキ | 作成日時:2017年7月29日 21時

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