Who are you？～夏の匂い～ (ページ6)

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義勝side ページ6

他愛もない話をして

かれこれ20分は過ぎたかな笑

もう真夜中の2時くらい？

真っ暗の下北も

なかなかエモくてすきだ。

向かいの店の窓辺の満月は笑っている。

そして、その影に俺の視線をさらっていく。

ふとその店の横の街灯を見ると

キョトンとした目で

こっちを見る女の子がいた。

黒髪のボブで

黒いだぶだぶのパーカーを着て

そこからすらっと白く細長い足をしのばせている。

街灯の影で暗くてよく顔が見えないけど

なんか見覚えのある女の子。

思い出せそうで思い出せない､､､

巨匠もその子に気がついたのか

何故か驚いている。

義「なに、そんな驚いた！みたいな顔して」

巨「え、いやまて、ん？おれ、目おかしくなったかも」

義「え？」

巨「おま、ちょ、あの子、よくライブハウス来てくれてた、え？ん？違うか？」

1人でパニクってる巨匠見て、ちょっと面白いけど

そんなことより巨匠の言ってる言葉が

怖い。

そんな漫画みたいなこと､､､

ないだろ普通？

あの子がここに、、、いるなんて､､､さ

､､､でも

確かにその子は

あの子だった。

巨「声かけよう」

義「え？は？なんて？」

巨「わかんねぇけど、とりあえず行こ」

こういう時の巨匠ってこんな強いんだ

行動力怖すぎ。

その子の元へすたすたと進む巨匠に

そ～っと、ついて行った。

巨「あの、よく俺らの箱(ライブハウス)に来てくれてた子ですよね？」

女の子は驚いて元々大きいであろう目を

さらにでかく見開いていた。

口をぱくぱくさせてるけど、

音は出ていない。

巨「そ、うだよ､､､ね？」

その子の顔を覗き込んで

巨匠がもう一度問いかける

するとその子は

小さくコクリと首を動かす

巨「やっぱり！高校生だよね？こんな時間に大丈夫？」

確かに、よく箱に来てくれていた頃も

制服だったし､､､学生がこんな真夜中に大丈夫か？

その子はもう一度巨匠の目を見て

コクリと頷く。

巨「そっか、大丈夫か笑よく俺らのライブ来てくれてありがとね」

またこくりと頷き

その子は俺の方を見る。

あぁ、やっぱり吸い込まれそう。