Who are you？～夏の匂い～ (ページ5)

今日:3 hit、昨日:2 hit、合計:31,947 hit

義勝side ページ5

新曲のことで話がしたくて

今日はさっきまで巨匠と飲んでいた。

『店が閉まるので』

そう言われて出てきたものの、

何故か2人とも帰るのをためらって

別に一人暮らしだし、家になにか嫌なものがあるわけでもない、

でも今日はなんか帰りたくない気分だっただけ。

俺らKEYTALKは最近波に乗っていて

嬉しいことにフェスやイベントに呼ばれることも増えてきた。

それもこれも、この俺達の原点とも言える

下北沢で頑張ってきたからだろう

ふら～っと真っ暗なこの道を歩いて

ちょっと行ったとこのベンチに二人で腰をかける

巨「でもホント、ここまで頑張って来てよかったって実感したわ」

確かに。

インディーズの頃、

飯を食べれるか食べれないか

そんなきわどい中、音楽をやりたい、音楽で食べていきたい

その一心でバンドやって来て、

やっとの思いでここまで来れた。

義「確かに、俺ら幸せかもな」

巨「おん笑」

少しの沈黙がながれる。

そういえば、俺はインディーズの頃から

１つつだけ忘れられないものがある。

というか、人がいる？

まだ全然人が入らなかったインディーズ時代

やっとの思いでライブハウス借りて

ライブやった。

ほんの10人くらいしかお客さん入らなくて

でも､､､

その中にひとりだけ、吸い込まれてしまいそうなキラキラした瞳で

俺らのことを見てくれてたあの子のこと､､､

俺はまだ､､､覚えてるの。

その子は、制服で、少し短めのスカートから

白くてすらっと細長い足を伸ばして、

髪型はボブ、目がくりっと大きくて

すごいカワイイ子だった。

その子はその日以来

結構ライブ見に来てくれてて、

八木氏も巨匠も想いを寄せてた時期もあった。

多分あの子はなんとも思ってなかったし

俺らに認知されてるとも思ってなかっただろう。

いわゆるJK、女子高校生に恋するなんて

おかしいかもしれないけど、

あの子は､､､なんというか､､､うーん

違う気がした。