2つの感情 ページ3
Aside
キャメロットから見える、“
沢山の妖精達が暮らす最果て楽園。
遠くまで見えるその光景を私はキャメロットの展望台から見る。
この国は私の国であり私の国では無い。
アーサー王が姉、モルガン陛下の望んだ“
“妖精妃モルガン”の理想の国。
子供の様に癇癪を起こして国を壊しても、気に入らない奴を殺しても誰も何も言わない思い道理になる白亜の城。
そんな国をモルガン様は望んでいた。
だから私が作ったんだ。
モルガン様が望んだ国を。
あの方の為に。
望まれた事を望まれた様に。
それをするしか私には存在価値がないから。
「綺麗だよ。君は生きているだけで素晴らしいんだ」
「…………………綺麗だよ!言ったろ!もう離せよ!」
「“秋”煩い〜。けど本当に綺麗だよ?君は君だ。似せて作られたなんて嘘だし気にしなくていいよ」
似せることなく生まれてきた彼ら彼女らはとても美しくて、私とは全く違う。
けれどそんなにあの子達ももう居ない。
“所詮人間”だ、100年で寿命がくる。
分かっている、愛せば置いていかれる、また一人ぼっちになる。
そんな事分かっている、分かっているんだ。
けれど愛さないのは私の中のなにかが否定するんだ。
お前も半人間だろうと。
ホムンクルスとして生まれたが半分は人間の体。
その人間の私は人を愛したいと言う、けれど“冬の女王”として作られた私は置いていかれるなら愛さない方が良いと言っている。
『
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作者名:エリス | 作成日時:2023年10月7日 20時