【d!】許嫁とか古いでしょ【shp】 (ページ21)

今日:10 hit、昨日:15 hit、合計:81,335 hit

．ページ21

無事目当てのものを買い、両手が塞がった状態で飲食スペースに行く。

テーブルに焼きそばと綿飴を置いて、いちご飴を齧った。

｢･･･うま｣

夢中で食べていると、誰かから話しかけられた。チーノくんかと思い振り向くと･･･。

｢ショッピくん？｣

あれ、ショッピくん夏祭り来れないんじゃなかったっけ？彼の後ろを見ると、数人の男友達らしき人がこちらをチラチラ見ていてそういうことか、と合点する。

｢見かけたんで、つい。･･･1人なん？｣

｢うぅん、･･･友達と、来てる｣

なんとなく、チーノくん、とは言いにくかった。

｢ちょっとの間、話せへん？｣

｢またそれ？何をそんなに言いたいことがあるわけ｣

｢俺にとって、大事なことだから｣

｢ショッピくんにとって大事でも、私にとってはどうでもいいよ｣

意図せず冷たい言葉が口から飛び出た。目の前のショッピくんが、傷ついたようにちょっと顔を歪めた。

｢おーい、ショッピ何してん｣

広島焼きを2つ抱えたチーノくんが戻ってきた。

｢･･･友達って、チーノのことやったんやな｣

こくり、とゆっくり頷いた。

｢浴衣、綺麗やで。･･･後でまた、話そな｣

耳元でそんなことを囁くと、ショッピは行ってしまった。

｢･･････A。･･･A。

顔、真っ赤｣

チーノくんにそう指摘されて、余計に頬が熱を帯びた。

｢行こう｣

チーノくんが静かな声でそう促し、私の手を引いた。