. ページ14
でも、気持ちだけは捨てきれないまま梅雨が過ぎた。噂だが、ショッピくんは水原さんと別れたらしい。
それでもショッピくんとは今もギクシャクした関係が続いていた。しかし反対に、チーノくんとは順調で、一番仲のいい男友達を聞かれたら真っ先にチーノくんを挙げるほど。
「そろそろ夏休みやね」
「ねー・・・。なんか予定ある?」
「いやぁ、俺は特にないかな。せいぜいショッピとどっか出かけるか、部活」
今日はテストがあって早上がりだった。2人だらだら帰路を辿る。
7月の中旬。夏もいよいよ本番だ。太陽は容赦なく地上の私たちに熱を送り続けている。
うだるような暑さの中、話題もなくお互い無言だった。
「連絡先、交換しとく?」
沈黙を破って、チーノくんが控えめに言った。
「あ、うん。・・・してなかったっけ」
「してないわ」
含み笑いをしてスマホを取り出す。連絡先を交換して、追加されたトークを見てはにかむ。
お恥ずかしながら、男友達の連絡先をゲットするのはこれが初めてだ。
ぽこん、とチーノくんから『よろしく』と送られてきた。
私も『よろしくね』と返す。
近くにいるのにスマホを介すのは新鮮だった。
「じゃあ、私家あっちだから」
「またな」
チーノくんと別れて、後ろ姿が見えなくなってから私は駆け出した。
601人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
まかろん - Q広島焼き? うちの県の名物や〜!(てかうちの県のやつwww) (2023年3月25日 23時) (レス) @page20 id: 0b9bf29afb (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:甘宮 | 作成日時:2022年8月22日 22時