【d!】許嫁とか古いでしょ【shp】 (ページ12)

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｢ただの幼馴染だよ。腐れ縁｣

｢あ、そうなん？｣

自分で突き放した言い方をしたくせに、なんだか酷く息が詰まる。

｢なんや、ショッピくんとAちゃんが一緒にいるの初めて見た割にすごい仲良さげやったから色々勘ぐってもうたわ｣

ケラケラ笑うチーノくんに、胸が苦しくなった。
動揺を誤魔化すように箸を進める。

｢ショッピくん今彼女おるから、Aちゃんもしならショッピくんと距離とった方がええかも｣

｢＿＿えっ？｣

信じられない言葉が耳に飛び込んできて、思わず目線を上げる。

｢ほら、今の彼女嫉妬深そうやし、目え付けられたら面倒そうではと｣

｢え、ショッピくん彼女いるの？｣

｢あれ、知らんかったん？おるで。3組の水原さん｣

｢あー･･･そうなんだ｣

ショックで泣きそうになるのをかろうじて我慢した。

彼女いたんだ。だから破棄しようとしてたんだね。私の気持ちは、結局一方通行だった。

ずっとショッピくんに振り向いてもらえないかなって期待して、ダラダラ18歳になるのを待って。

自分がとんでもなく惨めだ。

お弁当は途中で味がしなくなった。それでも無理やり胃に詰め込んで。

｢ちょっとトイレ行ってくるね｣

｢ん、はい｣

空のお弁当箱の蓋を閉め、私は席を立った。