Re:疲れてしまったあなたへ《赤》

(^ワ^=)【リクエスト】 ページ5

〆．



「……美味しい、ありがと」



「どういたしまして！……やなくて！」



もぐもぐする私にぷんぷんする大毅。



「なに？」



首を傾げると、大毅はちょっと固まってから、こほんと咳払い。



「………しんどい時は言うたらええやんか」



「？」



「クマすごいで？この前ゼミん時に話してたやつやろ？俺らにも一応声はかかったけど、みんなできんからAが引き受けたやつ」



「…………………………」



「休みの日に好きなブランドの新作買いに行く言うてたのに、時間なくて行けてへんやろ。いつも買ったらすぐ言うてくんのに言わへんから…」



「………………無理はしてない。頼られて嬉しいのは本当だし」



「やればやるほどつらくなってるやんか。Aの責任感が強いんは知ってるけど……このままやとAは壊れてまう」



大毅の視線が落ち込む。



「………私、それでいいのかも」



「へ？」



「頼られて、任されて、一人で背負って。大変な思いをして私だけの手柄にして、それで私忙しいわ〜苦労してるわ〜って思いたいのかも。……私ばっかり、って自分を悲劇のヒロインにでもしたいんだろうね」



スケジュール帳を開けば、何も書かれていない日なんてなくて。



それがなんだか嬉しいような。



「…………気持ちの面はそれでええか知らんけど、体が悲鳴上げてんのに気付いたれよ。限界迎えて倒れたら、元も子もないやろうが」



「じゃあどうしたらいいの？私、他の人に頼るつもりない。これからも断るつもりない」



大毅は黙ってしまう。



「………じゃあ、せめて一緒にさせて。Aの手柄は取らんから」



「それもなぁ…」



ワガママだと指摘されれば、否定はできない。



「………よし、これでどうや？俺がAを癒したる！睡眠の質が良くなる寝具やるわ。それから料理も、今のやつ終わるまで作りに行く。味は保証せんけど」



「ふふ、どんだけ私に尽くしたいの？」



私に愛想を尽かさない、なんなら受け止めてくれてる彼は本当に素敵な人だと思う。



「気持ちだけ受け取っとくね」



「あかんの！させろ！」



こうして自分を思って一生懸命になってくれる人がいる。それだけできっと、違うんだろうな。



「てか寝具は大袈裟すぎ」



「俺のお下がり！」



「いらな……」



〆．

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