Re:疲れてしまったあなたへ《赤》

34.壁を作ってしまうあなたへ ページ20

〆．



クラスメイト以上、友達未満。



大体はそんな感じ。



大学生になっても人付き合いに関してはそれを一貫していて、でも別に人と仲良くしたくないわけじゃない。



社会人になるまでにはなんとかしたいんだけれど、



自然と壁を作ってしまうんだ。



「ばちこーん！！」



「うわっ！？」



同じ専攻の重岡くんが、突如私の前に来て笑顔を見せた。



「一人？暇？」



「あ、う、うん、」



ナンパか。



なんて心の中で突っ込みつつ、応対。



重岡くんは入学前登校から既に友達を沢山作ってて、楽しそうで、ちょっぴり羨ましかった。



それと同時に、縁遠くてきっと今後仲良くならない人だな、とも思ってた。



こういう食わず嫌いなところが、自然と壁を作ってしまうひとつの要因なのかも。



「課題で出てるやつさ、あれって何文字やっけ？」



「A4一枚だから、文字数に規定はないと思うよ」



「まじ！？写真だけで埋めよかな」



「ふふ、ありかもね？でも名前は入れないとだめ！」



「りょーかいですっ」



あれ、意外と話しやすい。



とりあえずそこで会話が終わると思いきや、重岡くんは話題をどれだけ持っているのか、口を閉じようとしない。



「Aちゃんって誕生日いつなん？え、４月！？終わってもてるやーん！４月の２３……へぇ〜！」



そんなに興味を抱くことだろうか。



不思議に思うけど、多分あれだ。



私が他人にそこまで興味無いだけだ。



そんなに気にならないから、仲良くもならなくて、自然に壁を作ってしまうのかな……。



「Aちゃ〜ん、おーい？」



「あっ、ごめんごめん！重岡くんは誕生日いつなの？」



「俺は８月のぉ〜にじゅう〜……」



「お？にじゅう？」



「６〜！！」



「あー惜しいね！」



「２３やったらなぁ？それかAちゃんが２６日に生まれてくれても良かってんで？」



「確かに！」



人と話すのって、こんなに楽しかったっけ。



〆．

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