Re:疲れてしまったあなたへ《赤》

(^ワ^=)【リクエスト】 ページ21

〆．



「そんでな？」



重岡くんは喋る喋る。



今日は空きコマが続いて暇してたから良かったけど、重岡くんは授業いいのかな？



「重岡くん、」



「え？なに？」



時間は大丈夫なのかと尋ねてみれば、



「Aちゃんと喋んの楽しくて忘れてたわ！まあたまにはサボりもええやん？」



だって。



ほぼ初会話なのに……。



重岡くんってコミュニケーション能力が秀ですぎてるんじゃないの？



私が壁作っちゃうってより……。



「Aちゃんは聞き上手やからさ、俺もついつい、な？」



「聞き上手？」



「あんまり喋らん子なんかなー思うてたけど、笑顔で相槌うってくれるから話すん楽しいて楽しいてしゃあないねん」



「、」



自分をさらけ出せないだけなのに。



なんとなくその場の和を乱さないようにしているだけなのに。



自分のことを話して、もし軽蔑されたり非難されたりしたらどうしよう……って思ってるだけなのに。



「……どうしたら、重岡くんみたいになれるかな」



「え？俺？」



「重岡くんには壁を感じないの、安心する。本音で話してくれてる気がして、私も素直になれる」



重岡くんは目をぱちぱちしてから、笑いだした。



「どうしたら、言う割にわかってるやん！せやで、俺は本音で喋っとる。でも誰にでも〜ではないで？俺が仲良くなりたい人にだけ心開いてんの」



「仲良くなりたい人……」



「もし無意識に壁作ってんなら、それはもしかしたら本能で『あんまり仲良くしたくないわぁ〜』って思ってるんかも」



「そ、そんなこと」



「違うなら〜、んー、なんやろ。純粋にシャイなだけとか？その場合は何かきっかけあればすぐ誰とでも仲良くなれるタイプやで？



いずれにせよ、別に何か努力する必要はない思う。悩んでるやろうにごめんな？でも、ほんまに無意識のうちに壁作ってるなら、無理やり変えんでもええんちゃうかなぁ…」



「でも……」



「ちなみに俺、本音話せるんって友達なら三人くらいやで？」



「え？」



「実は俺も壁作ってまうタイプなんよ。でもAちゃんにはなんか普通に話しかけれた。四人目や。壁作らずに人と関われるって多分すごい能力の持ち主やで？やからまあ、解決になるとは思わんけど、あんま悩みなや」




彼の話は確かに解決には至っていないけれど、



ちょっぴり気持ちが軽くなるものだった。



〆．

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