Re:疲れてしまったあなたへ《赤》

(^ワ^=)【リクエスト】 ページ7

〆．



「でもなんでそんな顔してんの」



明らかに部活中であることにあえて触れず、重岡先輩は首をかしげた。



「………へへ、なーんか、上手くいかないんですよね」



「何が」



「私、部長になったんです」



「ソフトボール部の！？すげ！！」



そんなこと言って、あなたもサッカー部のキャプテンだったくせに。



「でも、なかなか……。厳しくしても優しくしてもブーイングの嵐ですよ。怖いだの甘いだの極端だの。何が正解かわかりません」



ふぅ、とちょっとだけため息。



弱いとこは絶対見せたくないけど、こういうのはつい出てしまう。



「んー、そのままやとあかんの？」



「え？」



「俺、部内全員友達やと思ってたで。先輩も後輩も。敬語使うか使わんかの差くらいやな。まあ先輩にも一部タメ口やったけどぉ？」



懐かしむように笑う重岡先輩。



「友達と接するみたいにしたらええやん。あ、でも好き嫌いは良くないかもな？」



「、」



「Aは確か、仲良い友達には甘えたやったよな？んで、慣れてないやつにはシャイさ全開で頑張って話しかけて。それでええやん？」



「……いいんですかね、」



眉を下げる。できるんだろうか。



「Aなりの距離の縮め方、やったらええやん」



そんなこと言われてもわかんないよ。



「一回やってみって。んで、友達に言うみたいに注意して、友達に言うみたいにアドバイスしたらええ。たまにピシャッと言うんが結構効くねんな〜。で、財布には痛いけど太っ腹になるのも大事。顧問にねだったりして、アイス買うねん」



俺は全部顧問に買わせたけどな！……って。得意げに言うことじゃないよそれ…。



「Aが部長になって試行錯誤しとるんは多分みんな気付いてる思うで？友達も後輩も。やってずっと一緒に頑張ってきたやつらやん。やから、間違えたと思っても大丈夫」



「…………はい」



「Aには、俺がアイスを奢ってやろう！日曜は部活ないやろ？また連絡する。せやから今は、部長を待ちわびる部員のとこ行っといで。なんかあったら日曜根こそぎ聞いたるわ」



物理的に背中を押され、元気が出た。



「ありがとうございます！重岡先輩！」



「おー！」



廊下のど真ん中で変な踊りをかます先輩に、深く頭を下げた。



〆．

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