Re:疲れてしまったあなたへ《赤》

28.就活に疲れてしまったあなたへ ページ8

〆．



「ああ………もう嫌だァっ！」



企業からのお祈りメールは何件目？



書類選考は通っても、面接で呆気なく落とされる。くそぅ。



何がダメなのかわからない。



完璧とは言わずとも、自分なりにアピールは頑張っている。



インターンシップも行かせてもらった企業ばかりなのに、もはや関係なかったんじゃ……ってくらい撃沈。



学歴はそこまで………み、見てないよね？



資格？うわ、もっと勉強しとけば良かった？



でもその企業で働くために必要そうなものは取ってる。



じゃあなんだろう。人柄かな。だとしたら無理だよ！



「はああ……」



「おーおー、疲れきってんな」



「あ、大毅」



キラキラ笑顔で私の顔を覗き込む、双子の兄。



「就活で疲れない人なんているの？」



「さぁな〜」



「……………大毅はさっさと内定もらったんだよね、おめでとおめでと」



「軽ぅ！」



こんな身近に就活を終えてしまったやつがいるんだ。



焦りが増すのは当然の話。



「でもお前なー、文句言うなよ？起業することができんから、人様が作り上げた会社に雇ってもらうんやろ？就活嫌なら自分で会社作れ！」



「無茶言うな！」



「無茶ちゃうわ！あのな、今日日会社立ち上げるってわりかし簡単やぞ？社会のニーズに合ったもんなら即大企業や」



「はー、夢物語」



余裕ぶっこいてる。腹立つ〜！！



「例えば、英会話教室めちゃくちゃ需要あるで？英語も日本語も話せる、んで子供向けならある種の託児所やわな？なんならそっちで保育所作んのもええやん。保育所の問題はさすがに知っとるやろ？



あとはーんー……観光業やな。観光客数は年々増えてるし、大手ツーリストも結構いっぱいいっぱいなとこある。マニアックなツアーしとけば国内でも顧客獲得期待できるな！」



難しいこと言うなぁ……もぉ。



「今の俺の話、流すならそれでええけど……。就活は楽じゃないからなぁ。俺もちょっとコネ使ったし。やってバイト先の系列やもん」



ははは、なんて笑ってる。



コネ、かぁ。



〆．

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