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 「なぁ、A」

 「……ごめん、今日先帰るね」

避けに避けまくっていた私の様子から様々な噂が流れると思っていた。私とロボロは付き合っていたけどひどい喧嘩をしたとか、ロボロが浮気したとか、私がフラれたとか。普通ならそんな噂が広まりそうだったけれど、そんなことはなかった。

一週間無視をし続け、毎日逃げるようにして帰っていた。けれど、痺れを切らしたのかついにロボロは放課後に私を逃がさまいと手首を掴んだ。

 「かえ、らせてよ」

 「嫌や、今日は帰らせへん」

 「っ…なんで」

 「Aは俺に言いたいことあるんやろ…?」

全てを見透かしはしないくせに、私が言いたいことは察せないくせに。なんでわかっちゃうかな。

 「…あるよ、言いたい、こと」

 「教えてくれな、俺どうすればええか…わからんやん」

そう言って私と目を合わせて近づいてくる。ロボロからゆっくりと離れようとする。けれどすぐに机が足に当たる。逃げられないな、と思いながら私は下を向いた。

 「………なに聞いても、怒らない?」

 「怒らへんよ」

 「なに聞いても、引かない?」

 「引かへんよ」

 「………ほんと、に?」

 「大丈夫やで」

その一言で本当に大丈夫なような気がして、重かった口を開いて、震える手で握り拳をつくって。息が止まりそうなこの空気で息を吸った。音を発さずに吐き出される呼吸を繰り返して、やっと喉から声が出た。

 「………あいちゃんとこ、いかないで」

溢れた本音は、私の視界を歪ませた。

目をぎゅっと瞑り、ロボロの言葉を待つ。何も発さないロボロに怖くなって顔を見ようとしたとき。

ぎゅっと抱き締められた。

は→←な



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暇人な名無し__低浮上ガチ勢(プロフ) - う"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"心臓がドコドコ言ってる待ってキュンs...(絶命) (2021年6月29日 21時) (レス) id: d7b6c8461a (このIDを非表示/違反報告)
shiyu(プロフ) - 紫狐 sikiさん» 私も、愛してる。 (2021年6月28日 0時) (レス) id: 12f7993420 (このIDを非表示/違反報告)
紫狐 siki - 愛してる。(唐突) (2021年6月27日 21時) (レス) id: c31e34af03 (このIDを非表示/違反報告)
shiyu(プロフ) - 月璃狐@サブ垢さん» 読んでいただきありがとうございます!界隈を掛け持ちして書いていますので中々期待に添えたお話が書けるかどうかわかりませんがこれからもよろしくお願い致します。 (2021年6月27日 20時) (レス) id: 12f7993420 (このIDを非表示/違反報告)
月璃狐@サブ垢(プロフ) - あとお気に入り作者失礼します……。(2回連続すみません……) (2021年6月27日 19時) (レス) id: 58020de72d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:shiyu | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2021年6月26日 21時

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