となりのとなりの田中さん。 【あほの坂田】

05:隣のとなりは一緒 ページ5

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　｢いっつも綺麗やなぁ｣

　｢先輩の家が汚すぎるんです、はいどうぞ｣

　｢家とかになったら先輩呼びになるの萌えるんやけど｣

　｢股関蹴りあげますよ？｣



こうも仲が良いのは、志麻さんが私の小中高大の先輩だからだ。所謂幼馴染み。小さい頃からよく遊んでもらっていたけれど、社会人になってからはあまり絡まなくなった。そうして時が過ぎると隣のとなりに引っ越してきた訳だ。

最初はストーカーだと思って、電話を片手に疑ったら本当に偶然らしく仲良くやっていこう、と思ったらこれだ。




　｢味噌汁どうぞ、熱いので冷ましてから｣

　｢熱っ｣

　｢……｣



先輩は馬鹿である。ど阿呆である。



　｢どうですか？最近彼女さんと｣

　｢ｯﾌﾞ……｣

　｢こうやって家に来たりするのって大体何かあった日じゃないですか｣

　｢…お子さまには関係ない｣

　｢言っても一歳差ですよね？｣


志麻先輩より一個下なら坂田さんよりかは一個上になるわけだ。くそう、もう少し遅く生まれてれば…
ぶつぶつぶつと胸の思いを吐き出していると、志麻先輩は不意に言った。



　｢そういや、坂田とのあの関係いつから続いてるん？｣



いつだったっけなぁ、と思い記念日から辿ってみると。



　｢かれこれ五年以上やってますね｣

　｢…ご、五年？？｣

　｢はい、五年やっても酷い暴言吐かれたことがないので今も続けてます｣




五年以上私は坂田さんに片想いをして、必死に毎日弁当を作っている。どうやって止めればいいのか何度も考えたが、悩んでいる間に弁当を作ってしまっているらしい。


こんな自分を気味悪いと感じてしまうことにも、もう飽きてしまった

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