『結婚』って言葉２ ページ16
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｢…あ、｣
坂田さんが少し溢した声に思わず顔をあげると、目の前まで飛んできた硝子の破片が地面に私に当たることなく落ちていた。やはり失敗してしまったか、という内心とは裏腹に心配の声を思わずあげる。
｢だ、大丈夫ですか？｣
｢…鼻、摘まんで…ガスヤバい｣
もくもくと天井を這っていく煙から鼻を摘まんで坂田さんは現れた。駆け寄ろうとすると｢近づかんといて｣と懇願された。立ち止まった瞬間、魔法で部屋の外へと追い出される。
扉に鍵をかけたような音が聞こえた。
｢さ、坂田さん!!｣
｢薬…充、満して、て…｣
扉を何度か叩いてもそれ以来返事が返ってず、どうにかして鍵を開けようとした直後。人が倒れる音がした。扉を壊すかのようにして殴りを、蹴りをいれても扉はびくともしない。
｢…魔法、しか｣
幼い時から魔法使いとして生きていたのに、私は魔法なんて微塵たりとも使えなかった。魔力を高めろ等と言われても解らず、ただ突っ立って愚論を浴びるだけだった。
そんなときだっただろうか。
｢魔法使いは魔法が使えるだけじゃダメ｣だと教えて下さったのは。研究室で熱心に試行錯誤を繰り返しながら、研究を続けていた彼に救われたのは。
それから研究や勉強に熱心になっただけで成果などは何もなかった。それで魔法が使えた、やったね、なんて馬鹿みたいな奇跡は起こりはしなかった。
魔法が使うのは怖い、なんて思う。けれど今やらなければ一生後悔するだろう。私は意識を掌に集め、呪文を唱える。
鍵が床に叩きつけられ、扉ががたりと動いた。これは、きっと坂田さんの意識がなくなったことによって、魔法が解けたのだろう。
｢…まあ、誰しもこんな時に出来るようになってる訳ないか｣
高めていた魔力を抑え込み、静かに扉を開いた。
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shiyu(プロフ) - まつりさん» またまたコメントありがとうございます！！是非見ていただけると幸いです！続編なのですが、一段落したりしないと難しいですね…。短編集として出してみるのも面白そうだとは思うのですが…。ここまでお付き合い頂きありがとうございました！またお会いできますように！ (2020年4月19日 23時) (
レス) id: ca77629a28 (このIDを非表示/違反報告)
まつり(プロフ) - 完結おめでとうございます！最後までとっても面白かったです！！！主人公ちゃんが魔法を使えるようになってほんとによかったと同時にさかたさんがかっこよすぎてかわいくてヤバかったです…！他のお話しも読ませていただきます！お疲れさまでした！(続編希望…！) (2020年4月19日 23時) (レス) id: dc65f13ca7 (このIDを非表示/違反報告)
shiyu(プロフ) - まつりさん» ありがとうございます、とても嬉しいです！そろそろお話も完結に近付いてきましたが、よろしくお願いします！ (2020年4月15日 14時) (レス) id: ca77629a28 (このIDを非表示/違反報告)
まつり(プロフ) - 初コメ失礼します！読んでいてすごく楽しいです！主人公ちゃんと坂田さんの煮え切らない両片想いがすごく切なくて…。でも、お互いがお互いを大切に想ってるのがひしひしと感じてきました!戻れるのかなぁと今後の展開が楽しみです!自分のペースで更新お願いします！ (2020年4月15日 8時) (レス) id: dc65f13ca7 (このIDを非表示/違反報告)
睡-ｽｲ-(プロフ) - 面白い作品を、見つけてしまった...更新楽しみに待ってます！！ (2020年1月25日 10時) (レス) id: 43464582ec (このIDを非表示/違反報告)
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