恋花火 ページ5
空に浮いた月をみて、ぽっかりと穴が開いている自分の心を押さえた。
…月って私みたいや。
今の月は、周りに星がいいひん。一緒や、私と。
今の私にも、周りに人がいいひん。一緒やな。
まぁ、最初からわかっとったんよ。あの仲が一番よかったあの日に帰れへんことなんて。
貴「じゃあ、いこ」
そう言った私の涙混じりの声に誰も触れへんかった。気づいてもおらんのやろう。
偽りと隣の私の嘘は暗い。深い。ずっとずっと誰にもバレないように沈んでゆく。
そんな想いとは裏腹に、三人は昇ってゆくのやろうな。私、汚いから綺麗な三人とは正反対なんよね。
右手の拳を握りしめながら、後ろの話し込んでる三人を見る。
苦いなぁ……綿飴食べてるはずやのに苦いし酸っぱい。
涙の味だと思いながら拭く。バレないように、俯いて拭く。
悲しみの雨が降り注ぎ、私は満たされる。満たされて溢れて流れる。
この三人に恨みなんて投げれるわけがないんよ。
実「A…? 大丈夫?」
貴「ぼーっとしてたわ笑 ごめん。ちょっと寝不足やねんな」
志「俺もさー…」
話が続きそうやから自ら離れる。
喘ぎ苦しんでも、助からない。この千羅くんの海からは抜け出すことなんてできひんのやから。
自ら離れて、何がしたいんやろうと思う。でもそれがきっと私の運命とか、人生やと思う。
でも、私に気づいて…
そんな本能がふつふつと出てきていた。
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ハゲつるマン@19830617(プロフ) - 堕天使さん» ありがとうございます!! これからも頑張りますね!!! (2018年8月17日 18時) (レス) id: ca77629a28 (このIDを非表示/違反報告)
堕天使 - 続編おめでとうございます!これからも応援してまーす! (2018年8月17日 16時) (レス) id: 63256c4e02 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ハゲつるマン@19830617 | 作者ホームページ:なし
作成日時:2018年8月17日 15時