【104】《2013.5.29》 ページ12
「……か…ず？」
微かな声に、振り向くと……
目覚めた結希が、二宮を見つめていた。
和:「おはよ♪」
結希:「お…はよう……」
和:「水、飲む？」
結希:「……うん。」
和:「じゃあ、取ってくるわ。」
結希に微笑んで、部屋を出ようとした二宮の携帯のバイブが鳴った。
･
『二宮くん、有難う。これから帰ります。』
･
和:「結希。お母さん、もうすぐ帰って来るって。」
結希:「えっ…」
和:「“帰る時、メールして。”って、お願いしといたのよ。結希が寝てるといけないから、俺にメールしてもらうように頼んどいたの。」
二宮は小首を傾げながら微笑むと、部屋を出た………
･
和:「……美味い？」
グラスの水を、コクリと飲み込んだ結希に…二宮が問い掛けた。
結希:「……うん。」
和:「……疲れ、出てない？」
結希:「大丈夫……ありがとう。」
和:「そう。」
結希へ、柔らかな笑顔を見せる二宮。
結希:「和……」
和:「ん？」
結希:「今日も、コンサートでしょう？」
和:「あぁ、そうだね。」
結希:「……休めなかったんじゃない？」
和:「いや。ちゃんと、寝れたよ？」
結希:「椅子に、座ったまま…で？」
和:「座ったままでも、寝れるよ。移動車で、よくやるしね。」
結希:「……」
和:「心配しなさんなって。何年、この仕事してると思ってんの？ “アイドル･ニノ”をナメんなよ？」
結希の目前へ顔を近付けた二宮は、ニヤッと笑った。
結希は…
そんな二宮の表情に思わず、釣られて笑っていた………
･
･
しばらくして………
･
真希子:「二宮くん。ごめんなさいね。」
和:「いえ。何も、問題なかったんで。結希も、調子いいみたいだから。」
真希子:「そう。本当に、有難う。」
和:「いいえ。じゃあ…俺、一度部屋へ戻りますんで。」
真希子:「朝御飯は？」
和:「大丈夫です。準備してあるんで。」
二宮は、真希子へ微笑むと…ベッドの方へ、振り返った。
和:「じゃあ……行くね。」
結希:「いってらっしゃい。」
笑顔を湛え、ゆっくりと手を振る結希。
その顔を…ベランダのガラス窓から差し込む朝陽が、輝かせていた。
･
･
そして………
これが………
二宮の見た、結希の“最後の笑顔”となった……………
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愁(ｼｭｳ)(プロフ) - MakIさん» MakIさん＊ コメント、有難うございます！(^-^) MakIさんのコメントを拝見出来ると、何か元気が出ます。(^^ゞ もう少しで完結なんで、しっかり書かせて頂きます。よろしければ、最後までお付き合い下さいね♪ (2013年5月18日 18時) (携帯から) (
レス) id: 2adada31bc (このIDを非表示/違反報告)
MakI(プロフ) - 遅まきながら新パートおめでとうございます。静かに静かに流れる時間が心を浮き彫りにしていくようです。愁さんの清冽な世界。思う存分楽しまさせて頂きます。(^-^) (2013年5月17日 5時) (レス) id: 811379433a (このIDを非表示/違反報告)
愁(ｼｭｳ)(プロフ) - サハラさん» サハラさん＊ コメント有難う！(^-^) ちょっとビックリした。(笑) でも、超絶嬉しい♪ ここの二宮さんも、私が思う･私が演じて欲しい二宮さんなのですが…気に入って貰えてたら幸せ♪(^-^) そして、完結まで見守って頂けたら有難い！ よろしくどうぞ。m(__)m (2013年5月16日 1時) (携帯から) (レス) id: 2adada31bc (このIDを非表示/違反報告)
サハラ(プロフ) - 新パートおめでとう(*^o^*)一見すると器用過ぎるニノだからこその不器用さが本当にリアルに出てて、やっぱり愁ちゃん流石です。このお話は気持ち良い切なさが漂っていて好きだなぁ…と…ド下手な感想を残しつつ(笑)また次回もお邪魔します♪ (2013年5月9日 20時) (携帯から) (レス) id: b75127c789 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：愁(ｼｭｳ)
作成日時：2013年5月8日 0時
