【103】 ページ11
和:「はい。終了♪」
結希のスカートを畳み、デスクチェアーの背もたれに掛けた後…二宮は、結希を見つめた。
和:「……大丈夫だったでしょ？」
結希:「……う…ん。」
和:「……真っ赤。(笑)」
赤く色付いた頬で俯いた結希を見て笑う二宮。
結希:「そ…んなに……笑わなくても……」
和:「……ご…めん……(笑)」
結希:「まだ…笑う……」
和:「……ごめん…だって、結希……可愛いから。」
そう言って、微笑む二宮に…ますます、顔を赤らめる結希。
和:「ベッド、入ろっか。」
何もなかったかのように、結希の前で両腕を広げる二宮へ…結希はゆっくりと、その手を伸ばす。
･
やがて……
結希を抱き上げた二宮は、大切なものを扱うように、そっと……結希を、ベッドへと下ろした。
･
結希に、タオルケットを掛けた後…ベッド脇にドレッサーチェアーを持って来た二宮は、静かに腰掛けた。
和:「まだ、恥ずかしいの？(笑)」
未だ、頬の赤みが残る結希の顔を覗き込み…微笑む二宮。
つい数時間前まで、七万人を熱狂させていたスーパーアイドル。
その二宮が、今……自分だけに微笑んでいる。
結希は不思議な気持ちを抱えたまま、目前の…艶のある、二宮の両瞳を見つめ返していた。
和:「……ん？」
結希:「……」
和:「……何よ。(笑)」
結希:「……ありがとう。」
和:「何？ 改まって。」
結希:「………花火、すごく綺麗だった。」
和:「……あぁ、最後の？」
結希:「うん。」
和:「あれさぁ…俺ら、いつもは見れないんだよね。前、向いてっからさ。」
そう言った直後…悪戯っ子のように笑う二宮。
和:「でも……今日は、隙見て振り返っちゃったわ。(笑)」
結希:「……？」
和:「結希が見てる花火…俺も、一緒に見たくてさ。」
柔らかな微笑みを湛え、結希を見つめる二宮。
ベッドサイドのライトに浮かぶ二宮の両瞳が、キラキラと輝いていた………
･
･
翌朝………
穏やかな表情で眠っている結希に、微笑み掛けた後…
ドレッサーチェアーから立ち上がった二宮は、一度大きく伸びをして…ベランダへ続くガラス窓へと向かった。
静かに、カーテンを開けると…
音のない街に…
今日の始まりを告げる朝陽が…微かに光を放ちながら、昇り始めている。
和:「今日も……頑張りますかね。」
二宮は、しばらくの間…
昇りゆく朝陽を、見つめていた………
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愁(ｼｭｳ)(プロフ) - MakIさん» MakIさん＊ コメント、有難うございます！(^-^) MakIさんのコメントを拝見出来ると、何か元気が出ます。(^^ゞ もう少しで完結なんで、しっかり書かせて頂きます。よろしければ、最後までお付き合い下さいね♪ (2013年5月18日 18時) (携帯から) (
レス) id: 2adada31bc (このIDを非表示/違反報告)
MakI(プロフ) - 遅まきながら新パートおめでとうございます。静かに静かに流れる時間が心を浮き彫りにしていくようです。愁さんの清冽な世界。思う存分楽しまさせて頂きます。(^-^) (2013年5月17日 5時) (レス) id: 811379433a (このIDを非表示/違反報告)
愁(ｼｭｳ)(プロフ) - サハラさん» サハラさん＊ コメント有難う！(^-^) ちょっとビックリした。(笑) でも、超絶嬉しい♪ ここの二宮さんも、私が思う･私が演じて欲しい二宮さんなのですが…気に入って貰えてたら幸せ♪(^-^) そして、完結まで見守って頂けたら有難い！ よろしくどうぞ。m(__)m (2013年5月16日 1時) (携帯から) (レス) id: 2adada31bc (このIDを非表示/違反報告)
サハラ(プロフ) - 新パートおめでとう(*^o^*)一見すると器用過ぎるニノだからこその不器用さが本当にリアルに出てて、やっぱり愁ちゃん流石です。このお話は気持ち良い切なさが漂っていて好きだなぁ…と…ド下手な感想を残しつつ(笑)また次回もお邪魔します♪ (2013年5月9日 20時) (携帯から) (レス) id: b75127c789 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：愁(ｼｭｳ)
作成日時：2013年5月8日 0時
